余暇時間の増加が影響した可能性が示唆され、コロナ禍による働き方の変化がポジティブな影響をもたらしたといえる。趣味や学習活動を増やすことは多様な生きがいの観点を上昇させるが、ボランティア活動を減らすことはそれを減らすことに繋がっている。この点からも、支援すべき活動としてボランティアに活動によりフォーカスを当てた取組を検討していく有効性は高いだろう。 6-3.暮らしのモニタリングを踏まえた提言 豊田市ならびに愛知県内の政令市・中核市居住者へのパネル調査を通じて、在宅勤務の恒常化がもたらした公共交通利用の減少、副次活動として生じていた外食等の活動の減少が恒久化するという前提を踏まえた政策検討がまずもって重要となることを示した。公共交通については、他の交通手段に転換した人の回復を目指す政策を検討するより、ピークシフトなどを活用しながら、新たな買い物ニーズなどを支える姿を目指すという方向性の意義が高い。在宅勤務の外出が限定的になるという現状を踏まえ、外出しないことの個人のデメリット(健康問題)の整理をしつつ、捻出された時間を有効に活用するための様々な市民活動を提案していくなどはあるかもしれない。中心市街地の来訪回復に向けて、買い物施設やイベントを充実させるといった基本に立ち返った方針を強く打ち出していくことも肝要である。 コロナウィルスへの不安は徐々に改善されており、これからコロナ禍後のニューノーマルを踏まえたより良い都市の実現に向けた検討が望まれる。 112
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