コロナ禍が豊田市の都市交通に与える影響のモニタリング
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6.モニタリング結果を踏まえた豊田市の都市交通に対する提言 上述の各種モニタリング結果を踏まえた、豊田市の都市交通に対する提言を一部繰り返しになる部分もあるが、以下のように示す。 6-1.交通実態のモニタリングを踏まえた提言 豊田市内の交通量・渋滞量、交通事故状況から、いずれも減少傾向を示していること、特に渋滞量の減少に連動する追突事故の減少が観測されたこと、他方で出合頭事故の増加といったネガティブな側面が生じていることを示した。出合頭事故増加の原因特定には、引き続きの分析・考察が必要となる。他方で、交通量や渋滞量の減少が、追突といった特定交通事故の減少に寄与することを少なからず示せたことは、交通円滑化のための対策の推進が単に時間短縮にとどまらない重要な対策であることを再認識させるものであろう。今後、プローブデータ等から収集できるリアルタイムデータの精度向上があれば、渋滞状況を説明変数の一つとする動的な事故発生リスク推定モデルの構築から、安全・安心・円滑な都市交通をマネジメントできる、動的交通制御の発展的形の構築可能性があるかもしれない。ITSによる新たな交通制御の可能性について政策的意義を見定めながら今後、研究を蓄積していくことが重要であろう。 6-2.地域・イベント実態のモニタリングを踏まえた提言 豊田市内のNPO団体への調査から「コロナ禍」を経験し、「コロナ禍前の活動を見直す機会」を得て、個々の団体の「実力」に見合った「活動」への転換―活動の1割程度の縮小―が垣間見られることを示した。他方で、新たな活動の芽が生じていることも併せて示した。「ほおっておけない」と「感じる者」が集い、活動のするのが市民活動の原点である。しかし、新しい活動の芽がすべからく欠落した活動を補填するわけではないし、コロナ禍前の活動が「必要十分」ではなく「過剰供給」であった可能性も否定できない。ただし、「急激」な変化は別の問題を生む。「ソフトランディング」による環境に順応した変容に向け、これまで以上に、積極的に、作為的に「新しい力を生み出す」刺激策が求められる。 また、コロナ禍といった活動が大きく制約された社会においても、市民参加の状況を変えることができることが、そもそもの人間の生きる活動の源泉ともいえる生きがいを感じやすい状況であることが示された。これは、在宅勤務などの111

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