空間構造と利⽤者⼼理を踏まえた安全・安⼼な⾃転⾞通⾏空間整備⽅策に関する研究
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モデル式は,データの特性上,事故件数が計測されていない区間(事故件数がゼロの区間)が多いため,そのようなデータを⽐較的よく推計するゼロ過剰ポワソン回帰モデルによる推定を実施することとした. 変数選択は,ステップワイズ法により⾏った.解析にはRを使⽤した. 4-2.結果 結果を表 4-1に⽰す.モデルの精度を⽰すAIC及び疑似決定係数を⾒ると,⾃転⾞関連事故,かつ死亡・重傷事故件数および第⼆当事者が⾃転⾞かつ交差点付近の事故件数の推定精度が⽐較的⾼いことがわかる.事故件数の値からもわかるように,これらのモデルでは,区間の事故件数が観測されていないケースが多いことが予想され,採⽤したゼロ過剰ポワソン回帰にうまく適合したものと推察する. 特に有意となっている各変数の値を⾒ていくと,道路延⻑,⾞線数,⾞との交差箇所数は概ね正の関係性―これらの増加が事故件数を増加させる―があり,最左⾞線+路肩,歩道幅員,バス停数は負の関係性―これらの増加が事故件数を減少させる―があることがうかがえる.他⽅で,⾃転⾞専⽤通⾏帯,⾞道混在(⽮⽻根)ダミーは有意とならず,整備による事故削減効果はあるとはいえないことがわかる. 26

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