空間構造と利⽤者⼼理を踏まえた安全・安⼼な⾃転⾞通⾏空間整備⽅策に関する研究
28/43

3.通⾏空間整備による⾃転⾞事故発⽣状況の整理 ここでは,⾃転⾞通⾏空間整備前後の交通事故の発⽣状況を整理し,モデル構築(⾃転⾞通⾏空間評価モデル)の基礎資料を作成する. 3-1.⽅法 豊⽥市近隣の愛知県下で⾃転⾞ネットワーク計画を策定している⾃治体を対象に,⾃転⾞通⾏空間整備箇所について把握した.⾃転⾞通⾏空間として,「⾃転⾞道」「⾃転⾞専⽤通⾏帯」及び「⾞道混在(⽮⽻根)」があるが,本研究では特に単路部での防護柵等のない空間的な特徴から事故リスクの観点から課題が特に予想された「⾃転⾞専⽤通⾏帯」及び「⾞道混在(⽮⽻根)」に限定して整理を⾏うこととした. 2021年の秋に調査を実施した.当時,⾃転⾞ネットワーク計画を策定していたのは,豊⽥市をはじめ,名古屋市,豊橋市,安城市及び⼀宮市であった.このうち,⼀宮市は通⾏空間の整備年が2020年と整備後まもなく,整備後の事故発⽣傾向の分析が困難であると予想されたことから,対象から除外した.それぞれの⾃転⾞ネットワークを図 3-1に⽰す. 本分析においては,整備区間ごとの整備年⽉⽇情報が必須である.他⽅で,当該情報は⾃転⾞ネットワーク計画に記載されていないことがほとんどであったことから,当該情報を把握するため個別⾃治体へのヒアリングを実施した.加えて,以降の評価分析で活⽤するため,可能な範囲で当該通⾏空間の⾃転⾞交通量についてもうかがった.なお,同データは道路交通センサスにおいても平成22年調査まで記載があったものの,最近(平成27年調査)ではその記載がなくなったこと,本研究の対象区間との重複区間が少なく,分析に耐えれるだけのデータ整備が困難であったことから⾃治体から⼊⼿したデータから整理を⾏うこととした. 22⾃転⾞通⾏空間整備箇所の整理

元のページ  ../index.html#28

このブックを見る