空間構造と利⽤者⼼理を踏まえた安全・安⼼な⾃転⾞通⾏空間整備⽅策に関する研究
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18 数で正の値である一方,歩道幅員及び自動車交通量は負の値となった.これらの傾向は,先の図 2-1で確認した傾向と概ね同様である. 個人属性では,男性ダミー(p<0.001),高齢者(p<0.001),自転車利用頻度(p<0.01)が高度に有意となった.推定値の符号から,男性,自転車利用頻度が多い場合は車道選択意向が高く,対照的に高齢者は歩道選択意向が高いことがわかる. 利用自転車では,ママチャリを参照としてミニベロ(p<0.001),クロスバイク(p<0.001),ロードバイク(p<0.001)といったスポーツバイクに該当する車種で高度に有意となった.推定値の符号から,これらの自転車を利用する場合,車道選択への意向が高いことがわかる.一方で,同系列と予想されたMTBは変数に選択されなかった. 普段の自転車運転時の行動や,ヘルメット着用および自賠責保険への加入といった安全への対応では,設定した変数いずれも高度に有意となったものはなかった. 危険経験として設定した事故件数(p<0.001),ヒヤリハット件数(p<0.01)はいずれも高度に有意となった.推定値の符号から,事故件数の多さ,ヒヤリハット件数の少なさそれぞれが車道選択意向への高さに関連することがわかる. 自転車の走行位置に関するルール認知では,歩道走行のルールを除き,高度に有意となった.推定値の符号からいずれのルールにおいても認知の高さが車道選択意向の高さに通ずることがわかる.

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