高齢運転者を対象としたテレマティクス 自動車保険の社会受容性に関する 実証的研究
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⚫ 先進的自動車保険の非利用者を対象としたアンケート調査を実施することで、テレマティクス保険、ドラレコ特約付き保険の利用意向に影響を与える要因を明らかにしたとともに、非高齢者と比較した高齢者利用意向の特徴も把握した。 報告者:楊甲 研究分野 業務類型 研究題目または 報告書タイトル 研究の背景・内容 研究結果・ 得られた知見等 研究成果 所内の担当者氏名・ 担当者 協力先名 問題点・課題今後の研究予定・その他 社会への貢献、 報告、技術的特徴等 *予定含む 関連論文(2021年度) (当年報掲載ページ) 1.暮らしを支える交通、2.都市空間を創出する交通、3.交通の安全・安心 1.調査、2.解析、3.政策検討、4.その他 近年、交通事故防止に繋げようとして、自動車プローブデータに基づく先端的な情報通信技術を活用した新たな保険サービス(テレマティクス保険)が開発され、販売開始された。該当保険商品の多数はドラレコを搭載せず、利用者の走行距離や運転行動によって、保険料が変動するものである。このような自動車保険を活用することで、保険会社から運転行動の診断レポートが取得できる高齢者が自分の運転行動を自覚することは、高齢運転者のより一層の安全運転が確保できるなどの効果が予想される。今、大きな社会問題となっている高齢運転者による交通事故の予防対策になるのではないかとの議論が行われている。一方で、該当保険は大手損害保険会社のみに提供されているため、場合によって、格安自動車保険の利用者は、契約先を変更する必要がある。よって、経済的な負担になる可能性があり、高齢運転者は受け入れるかどうかは不明確である。 本研究はテレマティクス自動車保険の社会展開に向けた方策を検討するため、高齢者を含む運転者を対象に、インタビューやアンケート調査を通じて、その社会受容性を把握することを目的とする。 ⚫ 先進的自動車保険(テレマティクス保険、ドラレコ特約付き保険)を利用している高齢者を対象としたインタビュー調査を実施することで、1)自動車保険が運転行動の改善につながる効果、2)自動車保険の利用に関する課題、3)自動車保険は高齢者の運転寿命を延ばす可能性等を把握した。 <社会への貢献> 本研究は、高齢運転者を対象に、先進的自動車保険の利用状況の実態把握及び該当自動車保険の利用促進に向けた方策の検討を実施することで、近年、我が国で注目されている情報通信技術を活用した高齢運転者の安全運転対策に当たり、社会ニーズが高い研究といえる。本研究の調査結果は、高齢運転者が先進的自動車保険に買い替える際の参考資料として活用されることが期待される。 <研究特徴> ⚫ 競合関係があると考えられるドラレコ特約付き保険も研究内容とする。 ⚫ 高齢運転者を対象とした先進的自動車保険の受容性を把握する。 ⚫ 先進的自動車保険の利用意向を解析するための行動分析モデルを構築する。 責任者・担当者:楊甲 公益財団法人三井住友海上福祉財団(研究助成金の提供先) 名古屋大学未来材料・システム研究所山本俊行教授(共同研究者) 豊橋技術科学大学蔡万里准教授、名古屋商科大学シンタン准教授(共同研究者) 楽天インサイト株式会社(インタビュー調査対象募集・アンケート調査の委託先) <今後の予定> 本研究の成果を取りまとめたものは日本保険学会の研究発表会、国際ジャーナルのAccident Analysis and Preventionなどに投稿する予定がある。 高齢運転者を対象としたテレマティクス自動車保険の社会受容性に関する実証的研究 2021年度 自主研究概要 -

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