地⽅都市におけるこれからの「みち」の在り⽅に関する 基礎的研究
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2含めた社会インフラの在り⽅や維持管理における住⺠の当事者意識の醸成,それによるこれからのみちの在り⽅を模索することは,財源の課題が⼤きい地⽅都市においてより重要性が⾼いものと考える. さて,この住⺠のみちの在り⽅や維持管理に対する当事者意識の醸成を図るにあたっては,そもそも住⺠がみちの価値や維持管理の⽅法に対してどのような意識を持っているかについての適切な理解が⽋かせない. これまで,あくまで⾏政の役割といった前提があったことからか,みちの価値や道路維持管理に関する住⺠の意識をみた研究は多くない.例えば,川⼝ら6)は,代表的インフラともいえる市町村道を対象に,吹⽥市(n=604)および⾼槻市(n=621)の住⺠に対して「維持管理に対して住⺠が抱く評価」「評価を規定する要因」の把握を⾏っている.結果,住⺠は市道維持管理の重要性は理解しつつも,政策としての関⼼度は相対的に低いこと,維持管理への評価に対しては,⾏政への信頼度や道路維持管理への意識が⼤きな影響を及ぼすこと,市道の維持管理は⾏政と住⺠とが協⼒して⾏うということに⼀定の理解を⽰していることなどが⽰されている. ⾼野ら7)は,4ヶ⽉あまり通⾏⽌めされたトンネルを対象に,通⾏頻度から影響度合いの異なる住⺠(n=224)の道路維持管理についての意識構造の差違について,アンケート調査をもとに実証的に分析している.結果,維持管理費の増額に賛意を⽰すのは,現⾏の「維持管理費」が安いと感じ,維持管理に関わる「⾏政満⾜度」が⾼い⼈であり,通⾏⽌めによる被害を受けた⼈は,逆に維持管理費増額の賛意が低くなるといった成果を導出している. 塚原ら8)は,コミュニティ・ゾーン形成事業の「整備後⼀定期間供⽤後」の地区を分析対象として,整備デバイス等の維持管理に対する住⺠意識(n=296)について分析している.結果,⾃宅前道路の満⾜度意識について,特にコミュニティ道路等の整備路線については,道路内の維持管理状況が満⾜度意識に⼤きく影響する要因であること,維持管理に対する住⺠の参加意向については,コミュニティ道路等整備路線だけでなく,整備路線以外の⼈も参加しても良い意向があること,維持管理への満⾜度やその参加意向の向上が,道路満⾜度だけではなく,景観が改善し地区内の雰囲気が明るくなることによって治安が向上したといったような間接的整備効果へも強く影響していることを明らかにしている. これらの成果は,みちの在り⽅における住⺠意識を理解するうえで,極めて有⽤である⼀⽅,市道やコミュティ・ゾーン内の道路といった特定道路を対照に住⺠意識構造を明らかにしているにとどまる.住⺠のみちの在り⽅や維持管理に

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