地⽅都市におけるこれからの「みち」の在り⽅に関する 基礎的研究
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33予想されるような中⼭間地域の道路ほど強く⽣じており,⾏政主導の重要性が際⽴つ⼀⽅で,特に予算確保が困難であるとされる地域での当事者意識の醸成の困難さを予想させる.表 4-1からは,道路維持管理⽅法の受容性に対する住⺠の居住地の影響は,中⼭間地域を除き,それほど⼤きいとはいえない.中⼭間地域の居住者のみ,⾏政管理もしくは沿道企業・組織⽀援に対する受容性が⾼いという点は,その地域性による影響ととらえてもよいかもしれない. なお,表 4-1に⽰すように受容性は住⺠のモビリティの実態からも⼤きく影響を受けることが予想されるので,地域の主要交通⼿段にも⽬を向けつつ,道路維持管理の当事者意識の醸成の⽅法の在り⽅を検討する意義は少なくないだろう. また,居住地の道路環境が,道路維持管理の重要性だけでなく,受け⼊れる管理⽅法にも違いを⽣じさせている点は,塚原ら8)の指摘に通ずる.加えて,道路管理の質が低いほど,⾏政管理ではなく,それ以外の⽀援に期待を持っているという点は,着⽬すべき点ではある.しかし,川⼝ら6)や⾼野ら7)が明らかにしているように,道路維持管理においては,⾏政に対する信頼や満⾜度の重要性があるなかで,道路管理の質の低さには,⾏政への信頼や満⾜度の⽋如が背景に潜在することが予想される.⾏政との連携が必須である道路維持管理においては,その当事者意識の醸成にかかるさまざまな合意形成において⼤きな課題を孕む可能性がある点に留意が必要となると推察する. さて,本研究の成果から,沿道企業・組織⽀援による道路維持管理は,まずもっての当事者意識を醸成する場として現実的な⽅向性であるようにみえる.そのような取組みを進めるに際しては,表 4-1に従えば,⼥性や若年層の取り込み,その組織化が有益である可能性がある.当該層をターゲットに,道路維持管理というイメージをより柔軟にとらえ,⾝近な問題として気軽に取り組めるような場の創出や組織づくりの配慮を意識することが,住⺠の当事者意識の醸成の第⼀歩として有効であるかもしれない. なお,豊⽥市の場合,他地域と⽐べて郊外や中⼭間地域の道路の維持管理が重視されていること,⾏政による維持管理に期待する傾向が強いものの,居住地が中⼼から離れるに従い沿線企業や組織による⽀援への受容が⾼まること,といった特徴があった.他地域に⽐べて郊外や中⼭間地域をターゲットに据えた道路維持管理の新たなアプローチを検討していくことが⼀つの⽅向性であるように考える.

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