地⽅都市におけるこれからの「みち」の在り⽅に関する 基礎的研究
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32傾向として捉え,豊⽥市においても同様のアプローチでまずは取組むことが肝要であるといえる. 5-2.維持管理 本研究では,道路の維持管理について,以下の仮説を設定し,その検証のための分析を⾏った. <仮説> 1)維持管理の重要性への意識は地域性や道路種別によって差がある 2)関与する主体により維持管理⽅法の受容性に差がある 3)維持管理の意識に豊⽥市特有の特徴がある 上述のように,住⺠の道路維持管理の重要性,道路維持管理⽅法の受容性は,それぞれ,当初想定した道路種別や整備される地域性によって異なっていた.住⺠の意識では,道路維持管理は,中⼼市街地に近い道路ほど重要で,⼈⼝が少なく,⾼齢化の進む中⼭間地域の道路は相対的な維持管理の重要性が低いといった点は,⽵本1)の指摘する⾏政の道路予算の動きと齟齬はないようにみえる.他⽅で,道路種別に着⽬すると,地域性による⼀貫性はなく,中⼼市街地では幹線道路の維持管理の重要性が⾼く,郊外,中⼭間地域では,⽣活道路の維持管理の重要性が⾼くなるといった逆転現象が⽣じる.住⺠との道路維持管理にかかる当事者意識の醸成を図るにあたっては,このような地域性と道路種別の傾向を踏まえておくことが有効であろう.また,図 4-1や表 4-1⽰すように,この傾向は,住⺠の居住地の影響を⼤きく受ける.特に郊外や中⼭間地域に居住する住⺠ほど道路維持管理をよりしっかり⾏うべきといった意⾒をもつ傾向にあることは,当該地域に住まう住⺠に対しては,道路維持管理の在り⽅について,より丁寧な説明を⼼がけることが重要であるものと⽰唆される. 道路維持管理⽅法の受容性については,⾏政管理ならびに沿道企業・組織⽀援と,地域住⺠⽀援ならびに道路利⽤者⽀援の受容性の差が⼤きい.住⺠としては,⾃⾝に直接影響の及ぶような維持管理法よりは,⾏政のような公的機関もしくは企業などの第三者機関の⽀援により適宜維持管理をしてもらえる⽅が受け⼊れやすいというのは,理解しやすい構造である.特にこの傾向は,費⽤的課題の

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