地⽅都市におけるこれからの「みち」の在り⽅に関する 基礎的研究
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5-1.みちに求める価値 315.地⽅都市におけるこれからの「みち」の在り⽅に関する基礎的考察 本研究では,みちに求める価値について,以下の仮説を設定し,その検証のための分析を⾏った. <仮説> 1)地域性や道路種別によってみちに求める価値に差がある(着⽬すべきアプローチ先が異なる) 2)みちに求める価値に豊⽥市特有の特徴がある 上述のように,住⺠のみちに求める価値は,当初想定した道路種別での差は顕著にみられなかった⼀⽅,整備される地域性によって差が⽣じていた.図 3-1から読み取れるように,住⺠の意識では,みちに求める価値は,安全・安⼼が⼤前提としてあり,それ以外の求める価値が地域性によって変化するといった構造がある.それは,例えば中⼼市街地であれば,魅⼒的な地域・⽬的地との接続性であるし,郊外であれば交通弱者のための空間である.中⼭間地域は,全般的な評価は⾼くないものの,そこに居住する住⺠は,みちに求める価値を⽐較的⾼く評価している.この評価の全体構造と居住地域による評価構造の違いは,みちの在り⽅の議論を進める際の合意形成の進め⽅に少なくない⽰唆を与えるものと考える.すなわち,総論と各論―全体計画の考え⽅の調整と個別地域に⼊り検討する際の考え⽅の調整ーにおいて主眼ポイントが動的に変化する可能性を想定した対応が重要であるといった点である.表 3-5に⽰すように,これは,住⺠の居住地域のみならず,性別・年齢といった個⼈属性や使⽤している交通⼿段の違い,さらには居住地の現在の道路環境実態の影響も少なからず影響する. みちの在り⽅を住⺠らが「⾃分ごと」として捉えていくためのアプローチとしては,安全・安⼼といった総論をきっかけに,地域性や居住地の⼈⼝構成なども踏まえつつ各論での調整を⾏うファシリテーションが有⽤であるように考える. なお,みちに求める価値については,豊⽥市とそれ以外の地域に顕著な差があるとはいえなかったことから,本成果について豊⽥市を含む地⽅都市における

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