地⽅都市におけるこれからの「みち」の在り⽅に関する 基礎的研究
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29居住地は,⾼度に有意(p<0.01)となった変数がない.唯⼀,中⼭間地域居住ダミーが⾏政管理,沿道企業・組織⽀援の受容性で有意(p<0.05)であり,いずれも当該地域居住者はそれらの管理⽅法に対する受容が⾼い傾向であると推察される. モビリティの変数は管理⽅法によって有意である指標に傾向がみられ,⾏政管理は歩⾏可能距離を除いてすべてで⾼度に有意(p<0.01)となっており,対照的に沿線企業・組織⽀援は⾃動⾞ダミーを除き,⾼度に有意となった指標はない.指標のなかで,歩⾏可能距離,総活動時移動距離とバイクダミーは道路維持管理⽅法による符号の違いがみられない.歩⾏可能距離は,当該距離が⻑くなると,それぞれの管理⽅法に対する受容性が低下し,総活動時移動距離は,対照的に当該距離が⻑くなると,それぞれの管理⽅法に対する受容性が⾼まる.バイク利⽤者の傾向は先に⾔及したように,回答者数の少なさもあり,慎重に判断する必要があるだろう.交通⼿段のなかでは,⾃動⾞ダミーが唯⼀すべての管理⽅法で⾼度に有意となっている.⾃動⾞利⽤者は,⾏政管理による⽅法に対する受容性が⾼く,それ以外の⽅法については受容が低くなる.なお,⾃転⾞ダミーは,⾃動⾞ダミーと正反対の傾向を⽰している. 居住地の道路環境の変数は,道路空間の質の低さと道路管理の質の低さがすべての管理⽅法で⾼度に有意となっている.これらの指標は全く逆の傾向を⽰しており,道路空間の質が低いほど,道路管理の質が⾼いほど⾏政管理による⽅法の受容が⾼く,それ以外の⽅法による受容が低くなっている.

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