地⽅都市におけるこれからの「みち」の在り⽅に関する 基礎的研究
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4-1.分析・考察⽅法 234.維持管理に対する意識の把握 まず,道路維持管理の重要性,道路維持管理⽅法の受容性それぞれ,道路種別および整備地域別に回答者の居住地による傾向を整理する.また,豊⽥市と他の地⽅都市との傾向の違いについても確認する.つぎに,当該結果に影響を与えるその他の要因の影響を踏まえた分析を⾏う.要因分析は,道路維持管理の重要性,道路維持管理⽅法の受容性それぞれの回答結果を得点化(+2〜-2)し,当該得点を⽬的変数,対象道路空間,属性,居住地,普段の活動や交通⼿段などのモビリティ,居住地の環境を説明変数とする重回帰モデルを構築する.なお,みちに求める価値の分析同様,評価項⽬の多い居住地の道路環境の評価は,因⼦分析を通じて評価軸の集約を⾏い,集約された因⼦の因⼦得点を説明変数に採⽤する.当該結果の解釈を通じて,地⽅都市における道路種別と地域性からみた道路維持管理の住⺠意識について考察する. 4-2.結果 道路維持管理の重要性 図 4-1に道路空間別居住地別の道路維持管理の重要性を⽰す.全体の傾向から,もっとも維持管理を⾏うべきと考える道路は,中⼼市街地の幹線道路(平均点=1.39)であり,ついで当該地域の⽣活道路(平均点=1.27)となった.対照的に,維持管理の重要性が相対的に低いのは,中⼭間地域であり,幹線道路が最も低く(平均点=0.72),ついで⽣活道路が低い(平均点=0.78).中⼼市街地では幹線道路の維持管理の重要性が⾼い傾向にあり,郊外,中⼭間地域では,⽣活道路の維持管理の重要性が⾼くなるといった逆転が⽣じている. 回答者の居住地によっても傾向は異なる.中⼼市街地の⽣活道路は,回答者の居住地に関係なく維持管理を⾏うべきとの回答が多いが,郊外および中⼭間地域の幹線道路は,居住地による評価の差が⼤きい.中⼼市街地や市街地に居住す

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