(1)分析に⽤いる指標 17みちに求める価値の要因分析 表 3-3に使⽤する説明変数の概要を⽰す.上述のとおり,みちに求める価値の因⼦得点を⽬的変数,対象とする道路空間(提⽰した6空間),属性(性別・年齢),居住地,モビリティ(歩⾏可能距離・総活動時移動距離,利⽤交通⼿段),居住地の道路環境を説明変数としている.なお,独⽴因⼦として選定した「⾃動⾞重視」ならびに「低速・⼩型⾃動⾞重視」は,回答結果を得点化したものを⽬的変数としている. 道路空間および居住地は先の分析で使⽤した変数である.モデルではダミー変数として扱うため,道路空間では,中⼭間地域の幹線道路,居住地では市街地居住を参照とし,それ以外の指標にダミー値(=1)を与えている. 属性は,⼀般的なものといえる性別,年齢を与えた.また,⾼野ら7)の成果より,利⽤者の交通状況が道路維持管理意識に影響を与えることが予想されたことからモビリティの指標を組み⼊れた.具体的には歩⾏環境への影響が予想される歩⾏可能距離,道路利⽤量の多さが予想される総活動時移動距離,⾃⾝による道路利⽤が前提となる交通⼿段(いわゆる公共交通ではない私的交通⼿段)の利⽤ダミーである. 居住地の道路環境についても,塚原ら8)の成果より道路に対する意識に影響を与えることが予測されたことから組み⼊れることとした.ところで,居住地の道路環境の評価に際して考慮されるであろうその軸は,当初より極めて多岐にわたることが予想された.しかしながら,多数の評価指標を⽤いたモデルを構築すると,結果の解釈が困難となる.そこで,当該指標の影響を解釈をしやすくするため,因⼦分析により予想される道路環境の評価指標を集約し,当該結果をみちに求める価値に対する住⺠意識モデルに採⽤することとした. まず,居住地の道路環境の評価指標として考えられるものについて,研究者,学⽣らによるブレインストーミングにより検討した.結果,表 3-4に⽰す16指標が抽出された.当該指標について,調査では,「あてはまる」〜「あてはまらない」の4件法で回答を依頼した.当該結果について,点数化(「あてはまる=4点」〜「あてはまらない=1点」)を⾏い,因⼦分析を⾏なった.分析は主因⼦法,バリマックス回転を⾏い,図 3-3に⽰すように固有値が1以上となっ
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