地⽅都市におけるこれからの「みち」の在り⽅に関する 基礎的研究
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まず,みちに求める価値について,道路種別および整備地域別に回答者の居住地による傾向を整理する.また,豊⽥市と他の地⽅都市との傾向の違いについても確認する.つぎに,当該結果に影響を与えるその他の要因の影響を踏まえた分析を⾏う.本要因分析では,みちに求める価値を⽬的変数,対象道路空間,属性,居住地,普段の活動や交通⼿段などのモビリティ,居住地の環境を説明変数とする重回帰モデルを構築する.なお,評価項⽬の多い(後述)居住地の道路環境の評価は,因⼦分析を通じて評価軸の集約を⾏い,集約された因⼦の因⼦得点を説明変数に採⽤する.当該結果の解釈を通じて,地⽅都市における道路種別と地域性からみたみちに求める価値の住⺠意識について考察する. 3-2.結果 3-1.分析・考察⽅法 123.みちに求める価値の把握 みちに求める価値の傾向 図 3-1に道路空間別居住地別のみちに求める価値を⽰す.全体の傾向から,みちに求める価値が⽐較的⾼いのは,「交通事故にあう危険性が低いこと」,「犯罪にあう危険性が低いこと」といった安全・安⼼に関わるものであった.対照的に,求める価値が相対的に低いのは,「空間ににぎわいがあること」であり,地域によっては,マイナスの値となる,すなわち重要でないといった反応がみられている.その他,「⼩型電気⾃動⾞やトラクターなどの速度の遅い⾞両が通りやすい,使いやすいこと」もマイナスの値こそみられないものの,相対的には低い値となっている. 道路種別による価値について,⼤きな違いはみられない.他⽅でみちの地域性や回答者の居住地による違いは顕著にみられている.まず,みちの地域性では,全体的に中⼭間地域の評価が低い.特に,中⼼市街地,郊外との差が⼤きいのは,「歩⾏者が通りやすい,使いやすいこと」であり,⽣活道路での差が際⽴つ.他⽅で,「⼩型電気⾃動⾞やトラクターなどの速度の遅い⾞両が通りやすい,使い

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