3.Wi-Fiパケットセンサデータを用いた回遊行動の分析 3−1.データ取得のイメージ 端末検出とデータ取得のイメージを図 3-1に示す。Wi-Fiパケットセンサは、設置箇所付近の数10m〜数100mの範囲に存在するスマホ等のWi-Fi端末が発信するパケット信号を検出し、検出した時刻やWi-Fi端末を識別する信号等を記録し、そのデータを自動でサーバに送信する。図 3-1の赤点線で示すようにWi-Fi端末が移動したとすると、複数のセンサで同じWi-Fi端末が検出され、その端末がいつ、どの辺りにいたのかという回遊状況を推定することができるという仕組みになっている。なお、本システムでは、通信内容を傍受したり、Wi-Fi端末を保有している個人を特定したりすることはできない。 また、最近のスマートフォンでは、プライバシーに配慮して、端末を識別するためのMACアドレスをランダムに変えてパケット信号を発信するようになり、本システムで回遊を把握することができない端末が増えてきている。 3 3−2.データベース化とデータスクリーニング サーバに蓄積したデータファイルから回遊行動を分析するにあたり、データベース管理システム(SQLite)と、操作の自動化のためにプログラム言語(Python)で作成したプログラムを利用した。 また、データには、MACアドレスがランダム化されており回遊行動を推定できないものや、本研究で主な計測対象としている歩行者が携帯しているスマートファン以外のWi-Fi端末から発信されているデータ等も含まれているため、これらを除外するようなアルゴリズムが必要となる。スマートフォン以外のWi-Fi端末の例としては、車両に搭載した機器類、豊田市無料公衆無線LAN(フリーWi-Fi)、OA機器、Wi-Fiルータ等がある。 さらに、建物内への立ち寄りや滞在の把握を想定して建物内に設置したセンサであって図 3-1 端末検出とデータ取得のイメージ センサの設置位置と検出範囲端末の移動経路検出データ(検出時間等)の流れサーバ
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