駅前大型店舗閉店に伴う豊田市中心部の流動変化の把握
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4−3.アンケート調査のまとめ 「毎月、松坂屋豊田店を利用」していた方の個人属性としては、女性、40〜50才代、個人年収は高くない、職業は専業主婦(主夫)・パート・アルバイトが多いといった特徴がみられる。 豊田市中心部への来訪時の回遊行動では、来訪者の「全体」の傾向として、「1か所のみ、または、同じ建物内」へ立ち寄る方の割合が最も多い。一方で、松坂屋への立ち寄り頻度がより高くなると、「異なる建物の複数の店舗や施設」への立ち寄りが多くなる傾向があることが分かった。この傾向は、平日、休日ともに同じであった。 来訪頻度については、松坂屋豊田店の閉店の影響で、「全体」の25.6%が、豊田市中心部(駅周辺)への来訪頻度が減ったと回答した。さらに、「毎月、松坂屋に立ち寄っていた」方では、半数以上の56.3%で来訪頻度が減ったと回答し、より影響が大きいことが分かった。 代わりに利用するようになった店舗等については、「代わりに利用している店舗はない」が最も多くなったが、他の選択肢も概ね20%以上の割合を占めており、多様な代替があるといえる。一方で、「豊田市外の店舗を利用するようになった」のみを選択した方の属性ををみると、「日常で自動車を利用し、40才代女性で、10-16時台に松坂屋に立ち寄り、閉店後の来訪頻度は減った方」という特徴があることが分かった。また、「駅周辺の他の店舗を利用」のみを選択した方の属性をみると、「日常で自動車を利用せず、50才代女性で、16時台以降に松坂屋に立ち寄り、閉店後も来訪頻度は変わらない、自宅が近い方」といった特徴があるあることがわかった。この2つのグループの特徴を表 4-3に整理する。 「豊田市中心部(駅周辺)への期待」として、「充実していると思うサービス」は何かとの問いに、約60%が「特にない」と回答し、また、「充実してほしいと思うサービス」は何かとの問いに、約50%が「特にない」と回答したことから、豊田市中心部に定期的(月1回以上)に来訪する方でも、中心部でのサービスについて、関心が低いことが最大の課題であるといえる。また、具体的にあげられた項目をみると、充実している・充実してほしいの両方に同じ項目(具体的には、飲食店・居酒屋、公共交通、子育て支援等)があり、表 4-3 閉店の影響で代わりに利用するようになった店舗の違いと個人属性 閉店の影響個人属性豊田市外の店舗を利用→都心来訪頻度が減少・日常、自動車を利用・40才代・女性・10~16時台の来訪グループ1グループ2駅周辺の他の店舗を利用→都心来訪頻度は同じ・日常、自動車を利用しない・50才代・女性、自宅が近い・16時台以降の来訪27

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