2. 既往研究のレビュー 以前の信号制御システムは、歴史交通量或は道路の等級によって信号時間を配分することである(車両を通過することを感知できる感応制御もあるが、制御システムを定量分析することがなく無駄に青が多い)。Webster(1957)が平均遅延時間最小化を目指す信号制御の最適サイクル長の近似値の計算方法を提案した。その後、オーストラリア道路調査委員会のAkcelik(1981)がWebsterの計算式を基に最適サイクル長の計算式を更新した。アメリカ交通輸送調査委員会が発行しているHighway Capacity Manualシリーズは、続いて平均遅延時間の計算式を更新する。日本でも、平均遅延最小化を目指し、今まで世界的広範囲で採用される上記のWebsterの信号制御設計方法を利用している(交通工学研究会,2018)。近年間、先進技術によって交差点に到着予定の車群情報を取得できることを前提条件として、様々な信号制御最適化について研究を展開している。 昨年度の報告書(リアルタイム情報に基づく平面交差点信号制御システム最適化に関する研究,2020)に、(1)平均遅延時間の計算方法、信号制御設計の伝統的な方法、と信号制御サービスレベルについて(2)リアルタイム情報に基づく信号制御に関する研究をレビューした。ここで、(1)の結論と(2)の絞った内容だけを示す。 平均遅延時間の計算方法について、Websterの遅延計算式とHCMの遅延計算式の第一項はほぼ同じである。第二項は同様に交通量のランダム性を表すが、計算式はかなり異なる。Websterのは単純に定周期制御に対するし、HCMには影響因子を追加して端末感応制御も対応できる。HCMの計算式は大量なパラメーターがあるため、そちらの検証は必要である。信号制御設計の伝統的な方法について、WebsterとAkcelikの計算方法は、各現示の有効青時間の比率が各現示の需要率の比率と等しいを前提として、推定過程に近似値を替えし、小さい値を削除すると様々な近似解を求める方法を使用した。そして最適じゃなく、近似最適サイクル長を求解できる。HCMには、最適サイクル長の概念がなくて、交通流の変動性とランダム性も考慮しなかった。信号制御サービスレベルについて、世界範囲で、アメリカ、中国に限りではなく(AUSTROADS:オーストラリアとニュージーランドの道路交通に関するトップエージェンシーの合同組織,2020,CITE:カナダ交通工学委員会,2008)、平均遅延時間を信号付き交差点の最も重要の評価指標とする。日本では、「サービス水準の設定方法に関する知見が不十分である」の現状で、本研究はレビューした各国のサービス水準の定義に基づいて、平均遅延時間も信号付き交差点の最も重要の評価指標とする。 3 第1章で述べた世界範囲で注目されているリアルタイム情報に基づく信号制御最適化に関する研究の二つの視点「更新時間単位」「信号制御システムの目標」から、既往研究の一部を
元のページ ../index.html#9