地方都市でのMaaS導入が高齢者に与える価値の多角的評価
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表 9 対象を限定した場合の買い物・趣味娯楽・運動の頻度変化 2-7.実証実験モニターの選定 週2日以下、条件④:今よりも各種活動の頻度を増やしたい⇒乗り放題により活動が増え21 意向を示した人を対象に、乗り放題に移行した時の活動の拡大を分析している。その結果各種活動が「増える」と回答した人の割合は、買い物での外出頻度で30.4%、趣味娯楽での外出頻度で54.0%、運動での外出頻度で33.7%と高い割合となった。 本研究では、アンケート調査にて明らかとなった乗り放題施策による高齢者の活動拡大について確認するため。1か月間10名程度の人を対象に、月2万円がチャージされたマナカを進呈し、その活動の変化を確認する実証実験を行う予定であった。令和2年度の石井の豊田都市交通研究所自主研究(豊田市の公共交通乗り放題体験に伴う交通・消費行動の変化に関する研究)でも同様の実験を行っているが、この時の対象者が比較的若く自家用車を保有している人であったため、活動の広がりは大きくはなかった。そこで本研究では高齢者の移動に困っている人を対象に実証実験を行うこととしていた。 実証実験は、令和4年の1月もしくは2月に行う予定であったが、新型コロナウィルスの蔓延により公共交通利用や施設利用の感染リスクがあることや、実験モニターが感染リスクを恐れ、施策による活動の拡大が正しく計測できないことが危惧された。そこで、実証実験を令和4年度以降に延期することとなった。 実証実験で選定していたモニターの選定条件について、表 10に示す。選定では、条件①:通勤での外出なし、条件②:自家用車の利用が週に1日未満、条件③:買い物での外出が

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