コロナ禍が豊⽥市の都市交通に与える影響のモニタリング
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11.はじめに 1-1.背景 2019年12⽉12⽇から29⽇まで中華⼈⺠共和国湖北省武漢市において,原因不明の肺炎患者が発⽣したことから始まったと伝えられる新型コロナウィルスの感染爆発(パンデミック)は,我々の暮らしを⼤きく変えている. 図 1-1に⽰すように令和4年1⽉31⽇現在,豊⽥市における陽性者数は累計7,776⼈,死亡者は42名である.令和3年に⼊りワクチン接種が進んだものの,ブレイクスルー感染と呼ばれる,ワクチンが効果を発揮しづらい,感染⼒の⾼い変異株が広がりを⾒せている. このウイルスが今後,どのような形で終息していくのか⾒えない中で,この影響は豊⽥市に暮らす我々に対して短期的なものにとどまらず,中⻑期的に様々な影響を与える可能性がある.例えば,⻑期的変化を強いられた環境では新たな⾏動様式や意識の定着を⽣じさせることを予想させるが,それによって新たに発⽣する及び将来的に確度⾼く⽣じうる都市交通上の課題は時々刻々と変化していくことが予想される.このような背景の下,都市交通へのコロナ禍の影響を多様かつ⻑期的観点から把握しておくことは,今後,⼈類がコロナ禍を克服したなかで,しなやかにあるべき都市交通政策を打ち出すうえで重要ではないかと考える. 本研究は,現在様々な地域で⾏われている関連調査,成果を俯瞰しつつ,コロナ禍が豊⽥市の都市交通に与えている,与えようとする影響をモニタリングすることで,そこで⽣じてきた,⽣じようとしている都市交通上の課題を確認・整理し,地⽅都市の豊⽥市であるからこそ⽣じる課題に対する政策等を提⾔しようとするものである.

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