コロナ禍が豊⽥市の都市交通に与える影響のモニタリング
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30(4)まとめ この部分ではコロナ禍における豊⽥市の道路交通の変化に着⽬し,分析を⾏った.全体的に,コロナ禍後に市内の主要道路(JARTIC対象道路)における交通量は10%程度の減少がみられていた.コロナ禍の初年度となった2020年各⽉の変化率の変動は⼤きい⼀⽅,翌年の2021年には対2019年⽐90%程度で安定している.愛知県⽇別新規感染者数の第⼀波時の交通量は⼤幅に減少したが,第⼆波以降は特徴がみられない. 曜⽇や⼤型連休でも傾向が確認された.2020年は⽇曜⽇の減少率が⾼く表出しており,2021年では⽉曜⽇を除く平⽇(⽕⽔⽊⾦)と⽇曜⽇でさらに減少傾向がみられた.トヨタ⾃動⾞を始め,市内でもコロナ禍を契機としたリモートワークを⾏う企業の増加が予想され,その結果が2021年の平⽇交通量の減少にあらわれている可能性があろう.⼤型連休と緊急事態措置期間中の変化は,コロナ禍直後の2020年に特徴的な傾向がみられたが,その後は,落ち着いた形に戻りつつある.リンク別では,多数の中⼼市街地のリンクで減少傾向が顕著で,中⼭間地では⽇曜⽇の減少率が⾼い傾向がみられた. さて,交通量は交通需要を概ね反映するが,過飽和となる渋滞状況時には需要に対して過⼩に計測されることが知られている.今後,ウィズコロナ時代における道路交通の管理政策を提⾔するにあたっては,交通量データと渋滞統計データを合わせた分析が重要となる.

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