1045.課題の影響程度を踏まえた豊⽥市に対する提⾔ 課題の影響程度を踏まえた対処すべき時期を明確化し,豊⽥市に⽣じる課題に対する政策およびその対応優先順位等を提⾔する. 5-1.⽅法 ここでは,2〜4章の結果を俯瞰し,豊⽥市における特徴的な課題を抽出し,その影響を整理する.具体的には,課題と影響度のマトリックスを作成する.次に,当該マトリックスで整理された内容ごとに,とりうるべき政策を提案し,それぞれのごとの難易度(実効性,即時性,等)を整理する.最後に,影響度と難易度を踏まえた,政策の優先順位を整理する. 5-2.豊⽥市の「交通&⽣活」「都市」「事業者交通」に対する提⾔ 表 5-1,表 5-2,表 5-3にコロナ禍における豊⽥市における特徴的な課題とその影響程度,および当該課題を踏まえた提⾔(案)を⽰す.「交通&⽣活」のカテゴリからは,外出頻度,会話頻度,家族時間,在宅勤務・時差出勤,通信販売・宅配,公共交通,⾃動⾞の視点での整理を⾏った.なお,2020年度に実施した調査結果の内容も参考として付与している.影響程度は,課題の深刻度,影響範囲の⼤きさを踏まえた主観判断である.特に外出頻度,会話頻度,家族時間といった市⺠のQOLにかかる部分や,公共交通利⽤状況といった点において影響が⼤きいと判定した.外出頻度,会話頻度,家族時間の成果からは,⾼齢者の健康,市の経済⾯の影響,公共交通離れというキーワードを課題として導出している.根本にあるのは,コロナ禍による⾼齢者の外出をいかに担保するかという点である.その際の公共交通利⽤を促進することができれば,これらの課題に対処していくことが可能となる.提⾔(案)の中では,「⽇中や休⽇の⾃由⽬的での外出促進にむけた公共交通の時間帯別運賃割引の導⼊」「より⼀層の外出先の魅⼒向上と移動⼿段との連携による,交通まちづくりの推進」を記載した.リモートワークといった働き⽅は,コロナ禍が解消された将来においても残り続ける可能性が極めて⾼い.そのための基盤整備は働く場としてのまちとして選ばれ続けるために重要であるが,その前提をさらに深掘りし「交通」も「外出先」もコロナ禍前の当たり前から脱却した在り⽅を模索することが極めて重要となる.特に,「交通」と「外出先」双⽅の魅⼒向上が⽋かせないだろうし,市⺠を巻き込んだ「交通まちづくり」を推進し,新たな「外出」「移動」の価値を提供していくことを⽬指すべきであろう.
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