交通事故オープンデータの活用に向けた+地理情報システムにおける可視化・解析+ツールの開発
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43 5. おわりに 5-1 本研究による成果 本研究では、本研究は交通事故オープンデータの利活用に向けて、事故オープンデータを可視化・解析するQGIS上で使えるプラグインツール等を構築するとともに、事故オープンデータの分析に適用する機械学習の分析手法等をPython言語で実装することを目的として実施した。本研究の実施を通じて得られた成果を下記のように整理する。 事故原票データの活用方法を模索するため、日本国で研究蓄積が少ない乗用車対貨物車の衝突事故を事例として取り上げ、事故空間的分布を明らかにするとともに、事故件数に影響を与える地理的な要因を把握した(3-1節参照)。 本研究ではオープン化した事故原票データの利活用に向けて、OpenLayers言語を用いた分かりやすくかつ導入コストが安価なオンライン事故マップを作成した(3-2節参照)。 交通事故原票データに適用できる事故マップを作成するためのQGISプラグインを構築した。先行研究で構築したQGISプラグインのソースコードを更新させたとともに、新たな機能としてGISデータの出力先設定を改良した(3-3節参照)。 QGISに格納した交通事故データのシェープファイルを集計・分析するため、PythonライブラリのPlotlyを用いたQGISプラグインを構築した(3-4節参照)。 5-2 今後の方向性 本研究で実施した内容を踏まえて引き続き検討していく内容を以下に整理する。 3-1節ではゼロ強調負の二項分析モデルを用いたため、地域メッシュの相関性を考慮していない問題点がある。今後は、推定モデルの精度を向上させるため、地域メッシュの相関性を考慮したカウントデータモデルの構築を試みる。 3-2節では交通事故箇所を可視化するオンライン事故マップを作成した際、事故内容・事故類型の選定による対象の絞込みができない点がある。今後は対象の絞り込む機能を備えるようなオンライン事故マップの構築を試みる。 3-4節では交通事故データのシェープファイルデータを集計・分析するためのQGISプラグインツールを構築した際、機械学習等の分析手法の実装に及ばない点がある。今後は、QGISに機械学習分析手法である空間クラスターリング分析モデルの実装を試みる。

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