2020年度 自主研究概要 報告者:楊甲 研究分野 1.暮らしを支える交通、2.都市空間を創出する交通、3.交通の安全・安心 業務類型 1.調査、2.解析、3.政策検討、4.その他 研究題目または 報告書タイトル 交通事故オープンデータの活用に向けた地理情報システムにおける可視化・解析ツールの開発 研究の背景・内容 交通安全対策を検討・評価するため、事故データを活用することが有用である。一部の自治体は事故のデータベースを構築し、通学路の歩道整備等の安全対策を実施するために活用している。生活道路の事故対策検討を支援するため、公益財団法人交通事故総合分析センターが生活道路事故データをメッシュ図(500m)として提供している。但し、事故箇所が把握できない点がある。2020年4月から、各都道府県の警察担当者が事故原票データ(位置情報を含む)を同様なフォーマットで公開する方針が閣議決定されたため、事故データのより一層の利活用が期待される。 このため、本研究は交通事故オープンデータの利活用に向けて、事故データを可視化・解析する地理情報システム上で使えるプラグインツールを構築するとともに、事故データの分析に適用する機械学習等の分析手法をPython言語で実装することを目的とする。 研究結果・ 得られた知見等 • 都道府県の交通事故マップの公表等の最新動向(2020年6月時点)を整理するとともに、都道府県の県警が公開している事故原票データの内容確認及び活用方法(交通事故オンラインマップの構築等)を検討した。 • 交通事故原票データに含まれた事故属性の組み合わせによるローカル地理情報システムのQGIS上で稼働できる集計・分析ツールを構築した。 • 警察庁が公開した交通事故オープンデータを整理するとともに、公開している交通事故データの活用方法を検討した。 研究成果 社会への貢献、 報告、技術的特徴等 *予定含む <社会への貢献> 本研究の実施を通じて、低コストのオンラインGISツールの構築技術を習得し、研究所独自で豊田市の交通事故オンラインマップの迅速な構築が可能となる。また、構築した交通事故データの集計・分析ツールの活用を通じて、道路管理者が交通事故箇所の空間分布状況を簡易に把握できるようになる。 <研究特徴> 本研究は交通事故オープンデータに適用するため、オープンソースな開発言語OpenLayersやPyQGISでWeb GISやローカルGISツールを構築したため、該当ツールの導入コストは安価で、開発したものは優れた拡張性を持つ。 所内の担当者氏名・ 担当者 責任者・担当者:楊甲 協力先名 日本名古屋大学 工学研究科 三輪富生准教授・施展華氏(共同研究者) 中国西南交通大学 交通運輸・物流学院 曹鵬准教授・殷鴻博氏(共同研究者) 豊田市役所 地域振興部 交通安全防犯課(ヒアリング先) 問題点・課題今後の研究予定・その他 - 関連論文(2020年度) (当年報掲載ページ) • 施展華・楊甲・三輪富生・安藤良輔:オープンデータを用いた乗用車対貨物車衝突事故の空間的分布に関する基礎的研究、東京大学空間情報科学研究センター年次研究発表大会CSIS DAYS 2020 (11月20日~21日). • H. B. Yin, J. Yang, P. Cao, R. Ando. A QGIS Plugin for Visualizing Open Traffic Accident Data Using PyQGIS, 東京大学空間情報科学研究センター年次研究発表大会CSIS DAYS 2020 (11月20日~21日). • J. Yang, T. Yamamoto, R. Ando. The impact of mandating a driving lesson for elderly drivers in Japan using count data models: Case study of Toyota City, Accident Analysis & Prevention, vol. 153, Article ID: 106015, 2021.
元のページ ../index.html#3