21 3-3-1 目的及び特徴 図 3-10に示した先行研究では、愛知県警から受領した豊田市の交通事故原票データに適用したもので、交通事故マップを自動的に作成することは可能である。ただし、都道府県が公開した事故原票のオープンデータは愛知県警から受領した事故データと比較して異なるため、都道府県の警察本部が公開したものに適用できるよう該当ツールを修正する必要がある。また、先行研究で構築したものはQGIS 2.18の環境で作成したものであるため、本研究で構築する環境QGIS 3.18に適用できるため、ソースコードのアップグレードも必要である。そこで、本研究は都道府県が公開した事故オープンデータに適用する事故マップの可視化ツールを構築するため、開発したQGISのプラグインを改良することを目的とする。 本研究で構築したQGISプラグインの特徴は3点が挙げられる。1点目は、交通事故データのメッシュ図を作成するにあたり、集計単位であるメッシュサイズ(1km、500m、250m)、事故発生期間、事故類型(事故全体、車両相互、人対車両、車両単独)の組合せによって選定することは可能である。2点目は、構築したものはQGIS上でPyQGISを用いて開発したものであるため、利用者のOS環境に依存せず、柔軟な対応性を持っている。3点目は、本研究が構築したプラグインの稼働環境はオープンソースのQGISであるため、導入するためのイニシャルコストはゼロであることはもちろん、研究者か技術者は本研究で構築したプラグインの機能を簡易的に拡張することも可能である。 3-3-2 方法 まずは、3-1節で整理した福岡県の事故データ、地域メッシュ(1km、500m、250m)町字区分等GISデータをシェープファイルとしてQGISに格納した。その結果を図 3-11に示す。 背景地図:地理院タイル 図 3-11 GISデータを格納したQGISの画面
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