16 3-2 交通事故箇所を可視化するオンライン地図の構築 3-2節では、交通事故箇所を可視化するオンライン地図の構築目的、方法及びその結果を述べる。ここで、説明するオンライン地図とは、交通事故原票データに記載されている位置情報(緯度・経度)をベースに作成した利用者がインターネットを通じて遠隔でアクセスできるGISのホームページである。 3-2-1 目的及び特徴 研究所の先行研究15では、交通安全に関わるビッグデータを統括管理するためのデータプラットフォームを構築した。そのうち、豊田市で発生した交通事故原票データを電子化して、QGISプロジェクトに格納した(図 3-4参照)。 図 3-4 研究所の先行研究で構築したQGISプロジェクト このような管理方法の欠点が2点存在している。1点目は、QGISプロジェクトを利用するため、利用者のPCに該当ソフトウェアをインストールする必要がある。一方で、交通管理者・道路管理者等の関係機関では、組織所有のPCに担当者がソフトウェアをインストールすることは手間がかかる可能性がある。さらに、場合によって、ソフトウェアをインストールすることが禁止されている。2点目は、QGISプロジェクトはローカルで保存している場合は、利用者はPC端末を操作している方に限定している。一方で、一般市民を対象とした交通事故箇所を周知するため、インターネットを通じて情報共有する仕組みを構築することが求められている。そこで、遠隔でアクセスできるようなオンライン地図の構築方法を 15 公益財団法人豊田都市交通研究所,「交通安全に係るビッグデータを活用するためのデータプラットフォーム構築の試み」自主研究報告書,2019年3月.
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