都市構造別にみる市街地内低未利用地の活用方法について
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18 (2)クラスター分析結果 本研究では、4つのクラスターに分類し、その特徴を把握する。なお、クラスター数を決定する際には、乖離度や凝縮度を基に最適個数を判定するシルエット法や架空のクラスターの変動値を⽐較し、変動値が最⼤となるクラスターを最適数とするギャップ統計法等から判定し、4つのクラスターとした。 クラスターごとの空き家分布状況を図 3-4、樹形図(デンドログラム)を図 3-5に⽰す。 クラスター別空き家の分布状況をみると、クラスター①(⼋草駅周辺)とクラスター③(岩倉地域)が数は少ないものの分類されていること、市街地はクラスター②(市街地南部)とクラスター④(市街地中⼼部)で分類されていることが分かる。樹形図をみると、クラスター①(⼋草駅周辺)は数は少ないものの、最初にクラスターが分けられており、他の空き家群と都市構造要因が異なっていることが考えられる。 クラスターごとの変数の平均値を表 3-3に⽰し、各クラスターの特徴を整理する。 【クラスター①】 クラスター①はすべてが⼋草駅周辺の市街化区域に存在する空き家、15件で構成されているため、主に⼋草駅周辺地域の評価ともいえる。 クラスター①の要因の平均値をみると、⼋草駅周辺の空き家群となっているため、鉄道駅までの距離は他のクラスターと⽐べ最も近くなっている。教育要因としている幼稚園、⼩学校、中学校、⾼等学校までの距離が離れており、教育的には不便な地域であることが分かる。また、医療要因としている病院、診療所、⽼⼈福祉施設までの距離も遠く、医療的にみても不便地域でもある。豊⽥市役所までの距離も離れているが、最も近い⽀所までの距離も他のクラスターと⽐べ遠い。空き家周辺の⼈⼝は少なく、減少傾向であり、⾼齢化率は26%と他のクラスターよりも⾼い。 【クラスター②】 クラスター②はほとんどが市街地南部の空き家で構成されており、五ケ丘団地や越⼾駅・平⼾橋駅周辺の空き家も含まれている。 クラスター②の要因の平均値をみると、ほとんどが全空家の平均値と類似しており、豊⽥市内の⼀般的な空き家であるといえるかもしれない。バス停までの距離は他のクラスターよりも離れているものの、バス停の徒歩圏域とされてい

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