4 図 2-1 “サクラ”による⾞道⾛⾏率の変化(昨年度成果) さて、バンドワゴン効果以外の新たなアプローチを検討するに当たって整理すべきポイントとして、ここでは⼤きく、道路利⽤者に対してどのような「情報」を伝達するか、どのような⽅法で「伝達」するか、誰に対して「伝達するか」に着眼する。 以下では、上記のポイントを踏まえつつ、本研究で実施するアプローチについて検討を⾏う。 2-1.どのような「情報」を伝達するか 提供する「情報」によって⾏動変容を促すことを狙う場合、より⾏動変容しやすい「情報」を提供することが望ましい。この点について、認知神経科学者のTali Sharot (University College London)は、「⼈は「良い情報(好都合な情報)」からは学ぶが、「悪い情報(都合の悪い情報)」からは学ばない」と指摘する1。例えば、図 2-2は株価と証券会社サイトのログイン数の関係を⽰したグラフであるが、株価が上昇すると証券会社のサイトにログインする回数が増えるが、株価が下落するとログイン回数は減少する。すなわち、⼈は好都合な情報は集めるが、不都合な情報は⽿をふさぐ傾向がある。この傾向には個⼈差があるとされ、 1 Tali Sharot (2014) How to motivate yourself to change your behavior, TEDxCambridge, https://www.youtube.com/watch?v=xp0O2vi8DX4, 2021.2.22最終閲覧
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