463-2-3.考察・まとめ 本項では、⾃転⾞通⾏空間に⾞道通⾏率を提⽰した看板を設置し、情報提供による利⽤者の⾏動変容について、実フィールドでの検証を⾏った。 看板設置前後の⾞道通⾏率の⽐較 看板の種類によって程度の差はあるものの、看板設置によって⾞道通⾏率は向上する結果となった。しかし、看板撤去後に⾞道通⾏率が低下する地点があり、継続した設置が望ましい⼀⽅、現象解明に向けた追加検証が必要である。 フィッシャーの正確確率検定による効果検証 地点ごとの看板設置前、看板設置中の歩道通⾏の⾃転⾞台数と⾞道通⾏の⾃転⾞台数を基に、フィッシャーの正確確率検定を⾏った。 地点1、地点6は看板設置によって有意に⾞道通⾏割合が⾼くなる項⽬が多く、看板設置によって、⾞道通⾏に促す傾向にあることを⽰した。また、看板情報内容による⽐較では、⾞道通⾏率提⽰看板は、⼥性に対して有意にプラスであり、命令情報提⽰看板は、⼀般に対して有意にプラスとなったため、⾃転⾞の属性に応じて効果のある内容が異なることを⽰した。 ロジスティック回帰分析による検証 ⾞道通⾏選択の要因分析の⽐較を⾏い、看板設置によって⾞道通⾏へ変更する影響について分析した。 ⾞道通⾏率看板は有意にプラスとなっており、看板設置により⾃転⾞を⾞道通⾏へ促す傾向にあることを指摘した。しかし、命令情報提⽰看板は有意な値とならず、その効果を検証するためにはより詳細な分析が必要である。 また、地点1、地点6のみを抽出し、要因分析を⾏った結果、⾞道通⾏率看板は徐々に⾞道通⾏率を向上させ、命令情報提⽰看板は即時性をもって⾞道通⾏率を向上させる傾向があることを指摘できた。
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