自転車通行空間利用率向上に向けた新たなアプローチの試みと地域への展開
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41ロジスティック回帰分析結果 通⾏位置(⾞道ダミー)を⽬的変数としたロジスティック回帰分析を結果を表 3-13、判別的中率を表 3-14に⽰す。 分析の精度をみると、McFaddenの疑似決定係数が0.169、判別的中率が71.3%であり、⾼いとは⾔えないものの、さほど低くない精度となっている。なお、本分析は推定モデルの構築を狙いとするものでなく、影響要因の特定を標榜し実施するものであることから、以下のように分析を⾏う。 看板設置時期を⾒ると、「看板設置(⾞道通⾏率看板(1-3週⽬)ダミー)」、「看板設置(⾞道通⾏率看板(4-6週⽬)ダミー)」は有意の値となっており、推定値がプラスのため、看板設置により⾃転⾞を⾞道通⾏へ促していることが指摘できる。なお、「看板設置(命令情報提⽰看板(1-3週⽬)ダミー)」、「看板設置(命令情報提⽰看板(4-6週⽬)ダミー)」は有意となっておらず、推定値の値も4-6週⽬はマイナスとなっている。 時系列をみると、⾞道通⾏率看板は、1-3週⽬よりも4-6週⽬の⽅が推定値が⼤きく、徐々に⾞道通⾏へ促している傾向にあることが指摘できる。 また、その他の要因として、「性別」、「年齢」、「⾃転⾞⾞種」、「⾃動⾞台数」、「⾞道の⾃転⾞通⾏空間幅員」、「⽇照時間」が有意となっており、「男性」、「⼀般」、「スポーツタイプ」、「⾃動⾞台数が少ない」、「⾞道の⾃転⾞通⾏空間幅員が広い」、「⽇照時間が短い」⽅が⾞道通⾏となる傾向となっている。表 3-10では⽇照時間の推移についても⽰しているが、調査⽇の天候状況によって⽇照時間は異なるものの、事前調査の1週⽬は約10時間、看板設置中の6週⽬は8.3時間、9.0時間となっており、季節柄、⽇照時間が徐々に短くなっている。従って、⽇照時間の減少と看板設置の認知率の向上が⽐較的類似している可能性があると考える。今後、時系列を考慮した調査を⾏う場合には、季節の変化による影響も考慮する必要があり、今後の課題としたい。

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