35フィッシャーの正確確率検定による効果検証 地点ごとの看板設置前、看板設置中の歩道通⾏の⾃転⾞台数と⾞道通⾏の⾃転⾞台数を基に、フィッシャーの正確確率検定を⾏った。 フィッシャーの正確確率検定は、標本の⼤きさが⼩さい場合の各カテゴリの独⽴性の検定に⽤いられる。本分析では、「事前」と「看板設置中」それぞれの「⾛⾏位置(⾞道通⾏or歩道通⾏)」の差の有無を検定する。 看板設置中の⾞道通⾏率を表 3-7、事前調査と看板設置中の⾞道通⾏率の変化を表 3-8、フィッシャーの正確確率検定結果を表 3-9に⽰す。なお、⾞道通⾏している⾃転⾞は順⾛しているのがほとんどであること、降⽔量が1mm以上だと、⾞道通⾏率が低下することから、順⾛している⾃転⾞を抽出し、調査⽇の降⽔量が1mm以上を除外して集計した19。調査⽇の天候データを表 3-10に⽰す。また、昨年度の調査8から、男性、⼀般、スポーツタイプの⾃転⾞の⽅が⾞道通⾏する傾向にあることを把握しているため、性別、年齢層別、⾃転⾞⾞種別で分け、個⼈属性ごとの有意差の有無を検証している。 地点1、地点6は看板設置によって有意差が有意差がある項⽬が多い。また、有意差のある項⽬の⾞道通⾏率の変化をみると、地点2の中学⽣・⾼校⽣を除いて、プラスの値になっていることから、看板設置によって、⾞道通⾏させる効果が有意にあったことを⽰している。なお、地点2の中学⽣・⾼校⽣は、そもそもの⾃転⾞台数が少なく、看板設置中の⾞道通⾏率が0%であることが影響していると考えられる。 看板情報による⽐較では、⾞道通⾏率提⽰看板は、⼥性に対して有意であり、命令情報提⽰看板は、⼀般に対して有意となった。なお、命令情報提⽰看板の中学⽣・⾼校⽣は有意ではあるものの、地点2と同様に、⾞道通⾏率が0%であることが影響していると考えられる。 19 具体的には看板設置中3周⽬の地点2と地点4が降⽔量が1mm以上の調査⽇となる
元のページ ../index.html#39