323-2-2.結果 ⾞道通⾏率の推移 調査⽇ごとの順⾛⾃転⾞台数と⾞道通⾏率の推移を図 3-12、事前・看板設置中・事後の期間別の順⾛⾃転⾞台数と⾞道通⾏率を図 3-13に⽰す。 図 3-12を⾒ると、各地点ごとに順⾛⾃転⾞台数や⾞道通⾏率に差異があることが分かる。例えば、図中には地点4の調査⽇ごとの⾞道通⾏率を追記しているが、事前調査で1週⽬は30%、2週⽬は44%となっており、14ポイントの差がある。事前・看板設置中・事後調査の中でも、順⾛⾃転⾞台数や⾞道通⾏率が異なっているため、図 3-13で⽰している、事前・看板設置中・事後調査の期間別の順⾛⾃転⾞台数と⾞道通⾏率を⽤いて看板設置による⾞道通⾏率の変化を考察する。 地点1(⾞道通⾏率提⽰)の⾞道通⾏率は、事前調査で29%、看板設置中は42%、看板を撤去した事後調査では22%となり、看板設置期間中の⾞道通⾏率の向上が⾒受けられる結果となった。また、看板設置3週⽬は⾞道通⾏率が下がっているものの、⽇数を重ねるほどに⾞道通⾏率が向上しており、看板設置4-6週⽬は40-50%を維持している。 地点2(命令情報提⽰)の⾞道通⾏率は、事前調査で60%、看板設置中も60%であり、⾞道通⾏率の⼤きな変化はなかった。これは、元より⾞道通⾏率が⾼いことから、その地点は⾞道通⾏のほうが⾛⾏しやすいということが⾃転⾞利⽤者に既に認識されていると考えられる。また、これまでの研究で中・⾼校⽣よりも⼀般の⽅が⾞道通⾏をする傾向にあることが指摘されているが8、地点2は⼀般の⾃転⾞利⽤者が多いことや、⾃⾝の⾏動はその他⼤勢の⾏動に引きづられるという「同調」の効果も少なからず影響している事が考えられる。なお、本地点については、事前と看板設置中の際⽴った変化がみられなかったため、事後調査は実施しないこととした。 地点4(⾞道通⾏率提⽰)の⾞道通⾏率は、事前調査で37%、看板設置中は38%、看板を撤去した事後調査では44%となり、看板撤去後の⽅が⾞道通⾏率が⾼くなる結果となった。特徴としては、地点4を通⾏する⾃転⾞のほとんどが⾼校⽣であり、⼀般の⾃転⾞は少ない。また、看板設置中の調査期間内でも⾞道通⾏率の増減が激しく、3週⽬は29%、4週⽬は51%となっていた。 地点6(命令情報提⽰)の⾞道通⾏率は、事前調査で11%、看板設置中は20%、看板を撤去した事後調査では13%となり、看板設置期間中の⾞道通⾏率の向上が⾒受けられる結果となった。看板設置1週⽬から⾞道通⾏率20%であり、その後もほぼ横ばいで推移している。また、⾞道を通⾏しているのは全て⼀般であり、中・⾼⽣の⾞道通⾏は⾒受けられなかった。
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