自転車通行空間利用率向上に向けた新たなアプローチの試みと地域への展開
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12転⾞通⾏空間である。条件統制に優れるCG等を⽤いず、実存する空間を使⽤したのは、⾛⾏時の状況をより具体的にイメージしてもらえることを期待したことと、必要に応じて実際の通⾏率との⽐較検証等も可能であるためである。通⾏位置の判断には、⾞道空間のみならず歩道空間の状況も影響することが予想1314されたことから、幅員や舗装⾯の状況等について極⼒類似するものを選定した。同様に歩道上や⾞道上における他の交通者の影響も予想1016されたことから、ここではそれらの影響が極⼒少ないものを⽤意した。なお、道路構造及び通⾏空間の整合を図るべく、⼀部の画像(画像①、③、⑤)に補正を加えている。上述で⾔及したように、当該空間の提⽰内容は、対象群によって異なる。制御群では空間画像のみを提⽰し、回答を依頼した。SI群及び罰則情報群については、図 3-2のような情報を空間画像に併せて提⽰したうえでの回答を依頼した。表 3-3は具体的にSI群に提⽰したSI情報(⾞道通⾏すると回答した割合)を⽰している。調査では⾛⾏位置について4⽔準で回答してもらっているが、ここでは⾞道通⾏意向を⽰した回答者割合を伝えるという観点から制御群にて「⾞道を⾛⾏する」または「主に⾞道を⾛⾏する」と回答された⽅の合計⽐率を提⽰した。 表 3-1 調査概要 対象 9⽉下旬調査 10⽉中旬調査 ①制御群 (280サンプル) -個⼈属性 -居住地域の⾃転⾞通⾏空間の実態 -リスク認知 -空間別の⾛⾏位置意向 ー ②Social Incentives(SI)群 (280サンプル) ー -個⼈属性 -居住地域の⾃転⾞通⾏空間の実態 -リスク認知 -空間別の⾛⾏位置意向(制御群の調査結果を踏まえたSI情報の付与) ③罰則情報群 (280サンプル) ー -個⼈属性 -居住地域の⾃転⾞通⾏空間の実態 -リスク認知 -空間別の⾛⾏位置意向(罰則付与) 16 鈴⽊ 雄, 松橋 ⿓平, 浜岡 秀勝(2015)⾃転⾞の⾞道⾛⾏台数に着⽬した⾃転⾞利⽤者の⾞道⾛⾏意識に関する研究, 交通⼯学論⽂集, 1, 2, p.A_40-A_46

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