7Burger, et al.5は⼤学のキャンパス内の3つの場所で、1階または2階に上がるためにエレベーターを利⽤した⼈と階段を利⽤した⼈の数が提⽰した看板によって変化があったかどうかをカウントした。具体的に提⽰した内容は「Exercise-sign:階段を利⽤することで運動になる」、「Norm-sign:ほとんどの⼈が階段を利⽤している」の2種類である。なお、制御群として設置しなかった箇所での傾向も併せて確認をしている。結果、Norm-signの場所では、エレベーター利⽤者が事前と⽐べて46%減少した。また、このエレベーター利⽤率の低下効果は、看板撤去翌週にも持続していた。他⽅、Exercise-signでも、看板なしでも、エレベーター利⽤率に有意な変化はなかった。こちらも、他⼈の実施状況がフィードバックされているといったSIの好例である。 表 2-1 提⽰情報(看板)別のエレベータ利⽤率の変化5 単位(%) Armellino, et al.6は医療従事者の⼿指消毒剤の使⽤状況が電光掲⽰板によるフィードバック(実施率)によって変化するかどうかを検証した。結果、16週間のフィードバック前の期間では、消毒剤を使⽤した⼿指衛⽣率は10%未満であったが、フィードバック期間に⼊ると、⼿指衛⽣率は81.6%に上昇し、この上昇は75週⽬まで87.9%で維持されたことが⽰されている。これは、他⼈の実施状況がフィードバックされているといったSIの好例であるとともに、⾃分が実施すると、その結果がすぐに電光掲⽰板に反映されるというIR、⼿指消毒の実 5 Jerry M. Burger & Martin Shelton (2011) Changing everyday health behaviors through descriptive norm manipulations, Social Influence 6(2):69-77 6 Donna Armellino, Erfan Hussain, Mary Ellen Schilling, William Senicola, Ann Eichorn, Yosef Dlugacz, Bruce F. Farber (2012) Using High-Technology to Enforce Low-Technology Safety Measures: The Use of Third-party Remote Video Auditing and Real-time Feedback in Healthcare, Clinical Infectious Diseases, Volume 54, Issue 1, Pages 1–7 事前看板撤去
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