リアルタイム情報に基づく平面交差点信号制御システム最適化に関する研究
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29 5.3 最適化計算結果 2つのモデル:(1)伝統的な設計方法(モデル1)と(2)交差点1サイクルあたりの車両の平均遅延時間の最小化を目指す全部の交通需要を処理するために制約条件を追加した非線形計画モデル(モデル2)の計算結果を比較する。表-3に比較した結果を示す。 サイクル長において、シナリオ1、2、3で交通需要が多い場合にモデル1はモデル2よりやや短い。シナリオ4で交通需要が少ない場合に両モデルの値はほぼ同じである。サイクル長の変化から見ると、シナリオ1、2、3において、構築したモデル2はモデル1より長く平均遅延時間を招く可能性が高い。また、各現示の比率において、交通量の増減を問わず、モデル2の第1現示のスプリットは少なくなり、第3現示のスプリットは高くなる。 表 5-2 信号制御計算結果の比較 シナリオ モデル 有効青時間 総有効青時間 総損失時間 サイクル時間 ϕ 1 ϕ 2 ϕ 3 1 (1) 66 13 52 131 12 143 (2) 67 14 57 138 12 150 2 (1) 75 16 35 126 12 138 (2) 75 16 38 129 12 141 3 (1) 56 12 71 139 12 151 (2) 58 13 77 148 12 160 4 (1) 30 6 18 54 12 66 (2) 28 6 19 53 12 65 5.4 シミュレーション結果 最適化計算結果(セクション5.2に説明される)をシミュレーションに設定し、シミュレーションを実行した。2時間(7200秒)の交通需要をシミュレーションする。全ての交通量がトリップを完了(シミュレーションエリアから流出)するための所要時間(以下シミュレーション時間と呼ぶ)、平均遅延時間、遅延時間の変動係数(以下変動係数と呼ぶ)3つの指標を計算する。伝統的な方法の結果をベースとして、構築した非線形計画モデルによる信号制御最適化の結果の変化率を計算し、それらの効果を検証する。結果を表5-3に示す。表中の変化率はモデル1の値を100%としたモデル2の値の比率である。

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