リアルタイム情報に基づく平面交差点信号制御システム最適化に関する研究
3/53

2020年度 自主研究概要 報告者:穆蕊 研究分野 1.暮らしを支える交通、2.都市空間を創出する交通、3.交通の安全・安心 業務類型 1.調査、2.解析、3.政策検討、4.その他 研究題目または 報告書タイトル リアタイム情報に基づいて平面交差点信号制御システム最適化に関する研究 研究の背景・内容 (背景) カメラ、感知器、V2V、V2Iによってリアルタイム車群情報を取得し、信号制御システムの変革が期待されている。前年度の自主研究は、平面十字交差点で平均遅延時間最小化を目指す非線形計画モデルを構築した。異なる交通流条件下、構築したモデルを検証する必要性がある。交通流が常に変化しているため、全ての交通状況を対応でき、かつ最適化を達する信号制御システムは期待される。 (内容) • 異なる交通流条件下、構築したモデルを検証する。異なる特性を持つ交通流の組み合わせを設定して、複数の十字交差点の交通需要シナリオを想定する。伝統的な信号制御計算方法(モデル1)の計算結果と構築した非線形計画モデル(モデル2)の計算結果をそれぞれシミュレーションに導入して、想定したシナリオをシミュレーションする。シミュレーション時間、平均遅延時間と遅延時間の変動係数を評価指標として計算した。 • リアルタイム情報に基づいた信号制御アルゴリズムを開発する。前年度に構築した平均遅延時間最小化非線形計画モデルを踏まえて、不足点を改良して新たな非線形計画モデルを提案する。リアルタイム情報に基づいて、提案した非線形計画モデルを用いて、1秒ごとに信号制御の時間設定を更新できるアルゴリズムを開発する。シミュレーションを通じて、交通流量比較的少ない交通需要シナリオを想定して、開発したアルゴリズムを検証する。 研究結果・ 得られた知見等 • 異なる交通流条件下、構築した非線形計画モデルの検証には、三つの評価指標の計算結果は下記の3点でまとめる。(1)シミュレーション時間の変化は少ない;(2)交通需要が多い場合には本研究で開発した非線形計画モデルにおける平均遅延時間は小さくなるが、交通需要が少ない場合に2つのモデルの結果はほぼ同じ。(3)遅延時間の変動係数において、交通量の増減を問わず、構築した非線形計画モデルの結果が生じる遅延時間の変動係数は小さく。特に、交通量が多い場合に減少率が高い。個々の車両の待ち時間のばらつきは大幅に小さくなる。 • リアルタイム情報に基づいた信号制御アルゴリズムの検証には、比較的少ない交通需要の条件下、提案したアルゴリズムは検証の交差点を通過した全部車両の遅延時間の変動係数を大幅に下がる。車両の待ち時間の差異が小さくなる。 研究成果 社会への貢献、 報告、技術的特徴等 *予定含む (社会への貢献) 構築した非線形モデルは、単独交差点のサービス水準を向上させると言える。特に、交通需要が多い場合においてその効果は顕著である。そのモデルは単独交差点に対する実用化が期待されている。 (技術的特徴) 1秒ごとに信号制御の時間設定を更新できるアルゴリズムを開発する。設定した信号制御の時間はリアルタイム情報に基づいた平均遅延時間最小化を目指す非線形計画モデルの計算結果による決定する。本研究で想定した車群のリアルタイム情報を取得する設備は、日本に広範囲で設置されて、費用比較的安い光ビーコンである。開発したアルゴリズムの実証実験は期待されている。 所内の担当者氏名・ 担当者 穆蕊 協力先名 問題点・課題・今後の研究予定・その他 令和3年度に継続研究を予定(非線形計画モデルの整数解の解き方を究明する。複数な交通需要のシナリオを想定し、提案したアルゴリズムの検証を行う予定がある。また、様々な技術問題点を解決するのは期待されている。) 関連論文(2020年度) (当年報掲載ページ) • 穆蕊・山崎基浩・西堀泰英・安藤良輔:シミュレーションにより非線形計画モデルを用いる信号制御の検証、第62回土木計画学研究・講演集, CD-ROM, 2020 • 穆蕊, 山崎基浩, 安藤良輔, 加藤秀樹:リアルタイム情報に基づいた平面交差点信号制御最適化アルゴリズム, 第18回ITSシンポジウム講演集,2020.

元のページ  ../index.html#3

このブックを見る