リアルタイム情報に基づく平面交差点信号制御システム最適化に関する研究
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14 慮し、二つの毎時間間隔tに青信号を許可する現示の選択アルゴリズムを開発した。さらに、ウェートを付けて車群隊列長さと個体の待ち時間両方を考慮するアルゴリズムを開発した。その研究に信号サイクルの概念がなくて、新たな思想を信号制御領域に注入した。ただし、一番重要な因子―青信号現示を選択する時間間隔tの長さは議論されなかった。 Kumaran et al., (2019)は、カメラによって車群情報を取得し、交差点車両流出量最大化と平均待ち時間最小化を目指して信号制御最適化モデルとアルゴリズムを提案した。その研究に選択された十字交差点の車両情報の正確率は83.6%であり、一つのサイクル時間を決定後、車群情報が変化しても調整ができない。つまりその最適化の前提条件は決定したサイクル時間内車群情報が変化しないことで、現実と掛け離れている。 2.2.2 サイクルごとに信号制御を更新する研究 織田(1997)がHCMの遅延時間計算式に基づいて非線形計画モデルを構築して、サブエリアの総遅延時間最小化を目指したサイクル長及びスプリットを5分ごとに更新する。 宇佐美と榊原(2002)が日本に一般的に使用されているMODERATOの基本機能と導入効果を述べる。MODERATOが2.5分ごとに更新される待ち行列量と流入流量に基づいて各流入路上の各交通流線の負荷率を計算する。その負荷率によって、サイクル長(調整単位は5秒または10秒)とスプリット(1%単位の算出値)を算出する。ただし、負荷率の重要な要素となる流入台数の計算方法は流出台数で代用することが多いので、実際の流入率と差がある可能性が高く、短時間内交通流率の変化を反映できない。 Lee and Wong(2017)、Lee et al., (2017), Lee et al., (2017)は、交差点に各流入グループ(全く同様な青時間に従ってできる流入レーンの組合せ)を計算ユニットとし、平均遅延時間最小化を目指す非線形計画モデルを構築した。流入グループを計算ユニットとするため、制約条件は6個になる。ただし、これらの研究は車両がランダムで到着することを考慮していない。

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