高齢者に対する施策の実施が健康寿命に及ぼす影響に関する研究
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6 2-2.高齢者のための交通施策 交通系へのアンケートの結果から,中核市の高齢者の移動に関する定量的な目標設定・定性的な目標設定の状況について図 2に示す.定量的な目標設定を行っている自治体は全体の22.5%,定性的な目標設定を行っている自治体は37.5%となった.定量的な目標設定の内容をみると,公共交通の利用者数,公共交通運賃施策の利用状況,通いの場に参加する高齢者の割合,ほぼ毎日外出する人の割合などとなっていた.定性的な目標設定の内容をみると,高齢者が安心して外出できる環境整備や,高齢者の外出支援のための施策実施などとなっていた.回答が得られた自治体の目標の中には,高齢者の健康寿命について触れられているものはなかった. 図 2 高齢者の移動に関する定量的な目標設定と定性的な目標設定の有無 高齢者の移動手段確保の際の工夫について図 3に示す.「あてはまる」「ややあてはまる」と回答したのは,「専門家の意見を取り入れている」で52.5%,「他都市の事例を参考にしている」で67.5%,「市民の意見を取り入れている」で85.0%,「福祉券の部署と連携している」で57.5%,「都市整備系の部署と連携している」で55.0%となった.同じ自治体内での他部署との連携を行っているのはおよそ半数となっている. 図 3 高齢者の移動手段確保の際の工夫 定量的な目標設定を行っている22.5%定量的な目標設定を行っていない77.5%定性的な目標設定を行っている37.5%定性的な目標設定を行っていない62.5%0%20%40%60%80%100%専門家の意見を取り入れている他都市の事例を参考にしている市民の意見を取り入れている福祉系の部署と連携している都市整備系の部署と連携しているあてはまるややあてはまるあまりあてはまらないあてはまらない

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