過疎地域におけるコミュニティ交通の持続可能性に対する意識と取り組み
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42 5.コミュニティ交通の持続可能性に影響する要因の分析 これまでの分析で、コミュニティ交通の持続可能性に関係する要因について定性的な把握ができたが、ここでは、コミュニティ交通を支える仕組みである「ひと」「環境」「サービス」に関係する各項目の影響の大きさを定量的に把握するための分析を行う。 5-1.分析の仮説 アンケート調査で把握した「人材」と「財源」の確保可能性を目的変数とし、「ひと」「環境」「サービス」の変数を説明変数とする数量化理論Ⅱ類の分析を行う。 各説明変数と、「ひと」「環境」「サービス」の区分の考え方を表5-1に示す。 分析方法について補足する。人材と財源の確保可能性について、『「問題なく確保できる」「何とか確保できる」』を2、『「確保できるかどうかわからない」「確保できないかもしれない」「確保できない」』を1として分析した。 説明変数には、多重共線性を避けるため変数間の相関係数が0.5を超えるものは除外した。(具体的には、回答者所属団体の属性、人口(自治体)、高齢化率(自治体)、年間利用者数、年間総収入を除外。※を付けた項目) また、不明項目を含む回答団体は除いて分析を行った。 表5-1 各説明変数の区分の考え方 区分 考え方 該当する説明変数 アイテム名 ひと 利用者、運営者、応援者の意向、振る舞いで決まるもの • 回答者所属団体の属性※ • 準備段階のキーパーソンの存在 • 準備段階の外部有識者の関与 • 自治体計画への位置づけ • 運行に対する評価・改善実施有無 • 運行形態の変化 • 他事業からの費用補填の有無 • 助成・補助金からの補填 • 企業や団体からの支援有無 キーパーソン 準備段階支援 自治体計画 評価改善 運行形態変化 他事業補填有無 補助・助成割合 企業支援 環境 地理的環境、社会経済環境で決まるもの • 運行地域の地域特性※ • 自治体の人口※ • 自治体の人口密度 • 自治体の高齢化率※ • 2040年将来推計人口の変化率 人口密度 2040年将来推計人口の変化率 サービス (サービス内容) 運行内容(サービスレベル)、使用車両、使用技術で決まるもの • 最多路線の運行日 • 最多路線の運行頻度 • 運行形態 • 年間利用者数※ • 年間総収入※ • 年間総支出 • 利用者一人当たり総支出 • 収支率 最多運行形態 最多頻度 運行形態 支出 一人当たり総支出 収支率 注 ※が付いている項目は多重共線性を避けるために除外した

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