39 (2)ヒアリング実施結果 ここではまず、ヒアリング対象者から聞き取ることができた、コミュニティ交通の持続可能性に関連して重要と考えられる意見を整理する。項目ごとに分類し、表4-4に整理する。なお、多くの地域で特に参考になると考えられる内容には末尾に【★】を付した。 表4-4 ヒアリングで得られた重要な意見 項目 内容 移動サービスの狙い • 移動手段確保の他に、地域の活性化や地域価値の向上を実現するために運行する団体が複数ある【★】 財源確保の努力 • (行政以外の場合)移動サービス以外の事業収益からの補填する団体が複数ある • 持続可能性のために移動サービスと他のサービスのパッケージ化が求められるとの意見がある【★】 • 沿線施設の広告費を獲得する団体もあるが、必要性を感じつつも検討に至っていない団体もある • (行政の場合)移動サービス支援の補助額を確保する(減らさない)ことが重要事項である • 運行管理や事務を地域の地元(住民)組織が担うことで経費を抑えている団体が複数ある • 地元の自動車販売店が車両メンテナンスを担い、自動車メーカーが運行実績分析をしている団体がある 人材確保の努力 • ボランティア募集のために、社会福祉協議会に依頼する団体や、募集チラシを地域に配布する団体、地域の代表者が地域の比較的若い人に声かけをして募っている団体がある【★】 • 交通事業者から行政に人材確保を委ねられる団体がある 利用者等の声の収集方法 • 利用者とドライバーが会話する中で直接意見を聞き、組織として共有している団体が複数ある【★】 • 利用者の声を地域の代表者が聞き、共有する団体がある • これらのようにして集めた声をサービスの見直しに生かす団体が複数ある 運行形態等の見直し • サービス内容の見直しに向けた議論をすることで、利用者の意識を高める団体がある【★】 • 予約が必要なデマンド方式だと利用しにくいとの声があり定時運行に変えた団体が複数ある • スクールバスや病院送迎バス等と路線バスを集約できると効率化できるが、実現していない団体がある 柔軟な運行 • 停留所は乗降場所の目安であり実際はエリア運行やフリー乗降をしている団体が複数ある【★】 • 満員で積み残しが発生する場合は、団体の担当者が臨時便を走らせて対応する団体が複数ある 最新技術の活用 • デマンドシステム(必要経費15万円/月)導入を検討する(増加経費は利用者負担で賄う方針)団体がある • 一方、運行・配車管理アプリ(必要経費80万円/年)の利用をやめ、SNSで置き換える団体がある • さらに、人が対応する方が高齢者に優しく会話も生まれてあったかい仕組みになるとの意見がある • 予約受付は電話で行い、運行管理にタブレット端末を活用して柔軟な運行を実現している団体がある【★】 • グリーンスローモビリティは上手く使えば多くの利点(購入費半額補助、動力費が安価、会話しやすい)がある
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