過疎地域におけるコミュニティ交通の持続可能性に対する意識と取り組み
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6 (2)文献②「高齢者の移動ニーズに対応した旅客運送サービスに関する調査研究」の調査結果 文献②で行われた調査結果のまとめから本研究に関係する項目を抜粋して整理すると以下の通りとなる。 • 運営団体の設立経緯は許可又は登録を要しない運送では「団体の発意」や「住民要望」が多い • 自家用有償旅客運送では、特に福祉有償で「継続困難」の割合3割前後で大きく、許可登録を要しない運送でも、「継続困難」の割合が15%を超える • 継続困難と考える運営団体は、ドライバーのなり手、運行管理等のなり手、収入を課題としてあげる割合が大きい 以上から考えると、持続可能性に関係する課題としては、お金の問題もあるが、むしろ人手の問題の方が深刻である可能性がある。 (3)文献③「地域と社会福祉法人等でつくる高齢者の外出支援」の調査結果 文献③で行われた調査結果のまとめから本研究に関係する項目を抜粋して整理すると以下の通りとなる。 • 社会福祉法人が外出支援に取り組むきっかけ:「地域住民に貢献したい」「地域ニーズに応えたい」という姿勢からが最も多い • 取り組みの成果:「利用者に喜ばれている」が最も多い • 取り組む際の課題:「ニーズ把握」「事故の不安や保険の加入」「運転手の確保」 運営上の課題:「事故の不安」が多い • 取り組んでいない理由:「人手が確保できない」が圧倒的に多い。 地域に外出支援団体がない理由:「部局横断的課題であり着手が難しい」が多い 以上から考えると、社会福祉法人のような旅客運送事業を本業としない事業者にとっては「事故リスク」も課題となっている。

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