重度障がい者の外出を伴う余暇活動の企画・実行プロセスと交通配慮事項に関する研究
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324-3.考察 重心者の「外出を伴う余暇活動」の計画・実行プロセスとその課題について、当該活動を実施している生活介護事業所の3施設への半構造化インタビューを通じて表 4-13のように整理した。以下では、計画・実行プロセスとその課題の考察を行うとともに、その結果を踏まえた重心者の外出を伴う余暇活動の促進に向けた配慮すべき方向性を検討する。 表 4-13 外出を伴う余暇活動の計画・実行プロセスとその課題の整理 内容 結果 参加状況 遠⽅への外出は年1〜2回。原則全員参加。それ以外に買い物、散歩なども実施(週1〜⽉1回、希望者のみ参加) 開始時期・頻度の変遷 すべての施設で開設当初から実施。利⽤者増加に従い、利⽤者特性への対応、コスト、スタッフへの負荷などから回数が現在の回数に 実施の理由(動機) 経験の提供、社会との繋がり創出、家族側での対応の困難さが実施の動機に 外出先選定プロセスにおける重視事項 新たな経験の提供、利⽤者の特性に合わせた外出先、利⽤者の選択権、希望⼈数の多さ、時間制約の中でいける範囲、施設の対応状況が重視 移動中・外出先での介助における重視事項 ⾃動⾞の運転とそれに伴う利⽤者の体調への配慮、スタッフの配慮が重視 費⽤の捻出⽅法 利⽤者に請求(職員分含める・含めない)、施設負担の3パタン。⾦銭的負担が⾼くならない配慮を実施 職員の対応数 施設の体⼒に応じて、利⽤者と職員が1対1で対応できるかどうかが変化課題 ハード的側⾯としては駐⾞場、トイレの確保がほぼ共通。ソフト的側⾯では、慣れない職員の対応、来訪先の応対などが課題に 集団外出のメリット・デメリット メリット:家族だけではできない体験を提供したり、利⽤者やご家族の楽しみを増幅できるだけでなく、職員のモチベーションにも影響 デメリット:トイレにかかる時間が⻑く、待ち時間が増える、訪問施設が制約されることが多く指摘 成功のための秘訣 事前計画の重要性に加え、スタッフ意識の重要性が指摘 本研究では、外出を伴う余暇活動が「実行」されるに際して、以下のような流れがあると仮定し、調査を実施した。 (1)「動機」の創出プロセス

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