重度障がい者の外出を伴う余暇活動の企画・実行プロセスと交通配慮事項に関する研究
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30集団で外出を伴う余暇活動を⾏うメリット・デメリット 表 4-11に集団で外出を伴う余暇活動を行うメリット・デメリットを示す。メリットとしては、家族だけではできない体験を提供したり、利用者やご家族の楽しみを増幅できることが複数の施設で指摘されている。加えて、施設Dでは、利用者の違った一面が見られるという点で職員のモチベーションにも影響していると指摘している。デメリットとしては、集団の場合、トイレにかかる時間が長く、待ち時間が増える、訪問施設が制約されることが複数の施設で指摘されている。 表 4-11 集団で外出を伴う余暇活動を⾏うメリット・デメリット メリット デメリット 施設A 利⽤者の思い出の増幅 個⼈では得られない共通体験から会話が広がっていく。また今年どうするというところにもつながる。 待ち時間の⻑さ トイレに時間がかかってしまうことがあり、パーキングエリアで1時間ぐらいトイレにかかってしまったこともあった。 ご家族での思い出の共有 楽しかったという話題を多くの⼈とできるのが良いという声がある。楽しい思い出について親御さん同⼠で会話できる。個⼈で外出した場合などは、どうしても⽐較してしまうことになり、話がしにくく、あまり話題にしないような雰囲気がある。施設B 利⽤者の思い出の増幅 利⽤者がにぎやかなところが好きで知っている⼈が笑っているのを⾒たい、それが体験できる。⼀⼈で家族といくような場合は、家族の笑顔は⾒れるかもしれないが、その楽しさはそれほど⼤きくないように思われる。集団での参加は楽しさが倍増する 希望する場所に⾏けない 希望しているところに⾏けない、それを諭すのが⼤変だったりする。 家族だけではできない多彩な体験・経験の提供 ご家族では旅⾏に連れていけない⽅もおり、施設でそのような対応をしてくれることに感謝をされている。 利⽤者の体調変化 外出後、普段と体調が違うといったことを報告されることがある。(興奮している、ごはんを⾷べない、移動中の固定ベルトのあざが体につく、など) 家族だけではできないご家族との外出では⾏くことが難しい場所に⾏けるというこ安全への配慮 安全⾯で配慮すべきことが増える。

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