次世代自動車(電動車両)の災害活用に関する研究
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3 (2)電動車両の給電能力 既存資料に基づき、電動車両の給電能力について整理した。パターン①のAC100V(1,500W)コンセントで給電する場合は、エンジンで発電しながらの電力供給が可能であるため、ハイブリッド車及びプラグインハイブリッド車ではガソリンタンクに充填されたガソリンとエンジンで発電しながら電力を供給することができる。パターン②③の給電器を用いる場合では、電動車両の駆動用バッテリーに充電された電力のみから給電できる。ガソリンタンクにガソリンが満充填された状態、かつ、駆動用バッテリーが満充電された状態から、代表的な電動車両について、どの程度の電力量を供給できるのかを既存資料を参考に推定した。 図 1-3に、AC100V(1,500W)コンセントの給電電力量を示す。水素タンクやガソリンタンクに充填されたエネルギー量は、駆動用バッテリーに充電された電気エネルギーよりも大きい。そのため、HV、PHV、FCVから供給できる電力量は、EVよりも大きいといえる。また、図 1-4に、V2L及びV2Hの給電電力を示す。V2L及びV2Hでは、エンジンで発電しながらの供給ができないため、駆動用バッテリーの搭載容量が大きいEVから供給できる電力量が大きいといえる。 世帯1日の平均電力消費量が約10kWhであることを考えると、電動車両から供給できる電力は世帯の1~10日分の電力に相当する。 020406080100120給電電力量(kWh)AC100V(1,500W)コンセントHVPHVEVFCV図 1-3 AC100V(1,500W)コンセントの給電電力量 0510152025給電電力量(kWh)V2L及びV2HPHVEV図 1-4 V2L及びV2Hの給電電力量 1-3.豊田市の電動車両活用の取り組み 豊田市では、ハイブリッド車にAC100V(1,500W)コンセントを取り付けるメーカーオプションに対して補助金を支給している他、災害等によって避難所が停電した際に、PHV等の外部電源から避難所施設への電源供給を可能にする目的で、平成29年度より、拠点とな

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