2019年度 自主研究概要 報告者:加藤秀樹 研究分野 1暮らしを支える交通、2.都市空間を創出する交通、3.交通の安全・安心 業務類型 1.調査、2解析、3.政策検討、4.その他 研究題目または 報告書タイトル 次世代自動車(電動車両)の災害活用に関する研究 研究の背景・内容 【研究の背景】 駆動用バッテリー等を搭載している次世代自動車(ハイブリッド車、プラグインハイブリッド車、電気自動車、燃料電池自動車)には、複数の電化製品を同時に使用できる100Vコンセントをメーカーオプションで装備できるものがあり、災害時の非常用電源として活用が期待されている。豊田市においても、ハイブリッド車に100Vコンセントを取り付けるメーカーオプションに対して補助金を支給している。 ただし、災害時の有用性に関しては、様々な意見があり、どのような災害の状況・場面で、どんな活用ができるのか等の具体的な整理は行われていない状況である。一方で、平成30年9月6日に発生した北海道胆振東部地震では、日本ではこれまで起こらないとされていたブラックアウトが北海道全域で発生した。インターネットのWEB掲示板では、停電時、次世代自動車をどのように活用したのかに関して多くの書き込みがあり、情報共有されている。 【研究の内容】 そこで本研究では、今後の災害での次世代自動車の活用や備えのあり方を提案することを目的として、以下のことを実施した。 ・北海道胆振東部地震での次世代自動車活用やその後の対応に関するヒアリング・WEB掲示板の情報に基づく大規模停電時の次世代自動車活用事例の整理 ・次世代自動車を保有する北海道地震被災者へのインターネットアンケート調査研究結果・ 得られた知見等 ・ヒアリングの結果、震災時、レンタカーは返却されるのみで利用されていないこと、一方、行政の公用車はフル稼働していることがわかった。さらに、震災後、自治体と自動車メーカー及び販売店が、電動車両を使用した電力供給に関する協定を締結していること、協定を有効に活用するための仕組みが必要であることがわかった。 ・WEB掲示板の情報収集の結果、自家用乗用車に搭載された100Vコンセントが、災害停電時に、スマートフォン・携帯電話の充電をはじめ、様々な電化製品を使用するために活用されていたことがわかった。 ・被災者を対象としたインターネットアンケートの結果、電動車両を携帯電話・スマートフォンへの充電に活用できた方が保有者の約60%に達した一方で、約30%が電化製品を使用しなかったこと、電気ポットや炊飯器の使用は10%程度であったこと等がわかった。 研究成果 社会への貢献、 報告、技術的特徴等 *予定含む調査結果を豊田市役所と共有し、災害時の電動車両の活用について議論を継続している。 所内の担当者氏名・ 担当者 加藤秀樹 協力先名 トヨタレンタリース札幌、札幌市 環境局 環境都市推進部 環境計画課、 北海道 環境生活部 環境局 気候変動対策課、医療法人はまなす 豊田市環境政策課、豊田市未来都市推進課、豊田市防災対策課 株式会社マクロミル 問題点・課題・今後の研究予定・その他 令和2年度も本研究を継続実施する。 関連論文(2019年度) (当年報掲載ページ)
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