194.停電災害時の電動車両活用に関するアンケート調査 4-1.調査の目的 「3.停電災害時の電動車両活用に関するWEB掲示板情報の整理」では、停電災害時に電動車両の100V電源が様々な用途に活用されていたことを確認できた。一方で、掲示板の情報収集のみでは、100Vコンセントを搭載した車両を保有する人のうち、どの程度の割合の人が活用できているのかが不明である。そこで、停電災害時の電動車両の電源車としての活用実態を定量的に把握すること、活用できた、または、できなかった要因を把握することを目的として、WEBアンケート調査を実施した。 4-2.調査の対象と内容 4-2-1.調査の対象 本調査では、近年、実際に停電災害に遭遇した方の経験を尋ねるため、2018年9月に発生した北海道胆振東部地震の被災者で、被災時に18歳以上であった方を対象とした。また、北海道では個人で所有されている燃料電池自動車は1台のみであるため、ハイブリッド車、プラグインハイブリッド車、電気自動車の電動車両を調査対象車種とした。また、電動車両から電気を供給する方式として、車内(コンソールパネル等)にコンセントが設置されている方式、車外の充電ポートに外部給電器を接続する方式などがある。外部給電器は、まだ、普及が進んでいないことから、本研究では、メーカー純正で出力1,500WのAC100Vコンセント(電源)を車内に搭載した電動車両のみを調査対象とした。 4-2-2.プレアンケートの内容とサンプル割付 調査対象に該当する回答者を得るため、19歳以上(被災時18歳以上)、かつ、北海道在住の4万人に対して、プレアンケート調査を実施した。プレアンケート調査の内容を表 4-1に示す。また、比較対象として、世帯で電動車両以外の自動車のみを保有していたサンプル、メーカー純正で出力1,500WのAC100Vコンセント(電源)を搭載していない電動車両を保有していたサンプルも得た。各サンプルの割付と目標サンプル数、及び、回答サンプル数を、表 4-2に示す。なお、対象サンプル(メーカー純正で出力1,500WのAC100Vコンセント(電源)を搭載した電動車両を保有していたサンプル)の目標サンプル数は、電動車両の普及率、AC100V1,500Wコンセントの推定搭載率などを加味して100サンプルとした。また、目標サンプル数100に対して、回答サンプル数が67と少なくなっているが、これは、トラップ質問を設けて、AC100Vコンセント(電源)を保有していない人が、回答報酬の多い本アンケートに進むために、AC100Vコンセント(電源)を保有していると偽りの回答をしているものを有効回答から除いたためである。
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