12機能の紹介や災害活用をアピールすると関心を持つ人もいる。 ・令和元年には、登別市、南富良野市、稚内市と協力してPRを行った。災害対応型自動販売機への給電等を実演した。 (4)医療法人はまなす(人工透析クリニック) 北海道胆振東部地震と、その後のブラックアウトを受けて、停電対策を中心とした医療現場での災害対策等について医療法人はまなすにヒアリングを行い、下記の情報を得た。 1.医療法人はまなすの概要 ・「医療法人はまなす」では、「篠路はまなすクリニック(以下、篠路)」と「はまなす病院(以下、石狩)」の2つの病院を運営している。一般外来や入院施設も行っているが、透析(篠路54床、石狩36床)が事業の主体となっている。 ・篠路では、月水金に100人/日、火木土に50人/日の患者さん、石狩では30人/日の患者さんの透析を行っている。 ・透析治療には、逆浸透膜を用いて透析液を生成するための電力と水道水(または井戸水)、血液透析ユニットで血液を循環させるポンプ等を稼働させるための電力が必要であり、電気と水を大量に使う治療であるといえる。 ・透析治療の患者さんには、普段から送迎サービスを行っており、篠路では6台、石狩では3台の送迎車を保有している。 2.ブラックアウト時の対応 ・病院には、自家発電設備を導入しているが、入院病棟のみをカバーするための発電設備であり、透析室の電源を確保できるものではなかった。 ・北海道胆振東部地震でのブラックアウトでは、透析治療を行うことができず、北海道医療センターに患者さんを移送して引き受けてもらう等の対応や、先に電力が復旧した石狩に、篠路の患者さんを移送して透析を行う等の対応を行った。 ・震災を通して、透析は、水と電気に加えて、移動サービスが切り離せない医療であることを痛感した。 ・非常用発電機の燃料(軽油)や送迎車の燃料(ガソリン)は、近くの石油販売所と交渉して、医療施設ということで、優先して供給してもらった。 ・ブラックアウト時の移送では、交通信号が全て止まっている状態で、ドライバーさんには安全に注意するようお願いした。大きな交通混乱もなく、各車ゆずり合いながら交差点を通行していた。ただし、夜は、ヘッドライトの明かりしか見えないため、交差点での意思疎通が困難であった。 3.震災後の対応
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