10の市民には、震災が次世代自動車の普及に影響を与えているが、半数以上の市民には影響がないことがわかる。 ・車種がFCVとEVに限定されており、PHVやHVを含んでいないことも要因と考えられる。また、次世代自動車の普及に世帯年収(700万円以上の世帯の割合)が影響しているのであれば、札幌市は中小企業が多く全国平均に比べて世帯年収は低いことも要因と考えられる。 4.外部給電可能な次世代自動車から避難所等に給電する施策について ・震災時は、市の公用車がフル稼働しており、外部給電機能をもった公用車を避難所での給電に活用するというのは現実的ではない。 ・また、市民が保有する外部給電機能(100V、1,500W)を持ったPHV等の次世代自動車を避難所等で活用しようとした場合、うまくまわらないリスクがあり施策としては難しい。 ・同じような例に、井戸を持つ家庭や事業所に、断水時、市民に水の供給を依頼する施策がある。井戸保有者の名簿管理と毎年の更新だけでも大変な作業となっている。さらに、実際に断水が起こった場合には、保有者と連絡を取り、水の供給が出来る状況であるか、提供する意思があるかを確認した上で、市民に向けて情報発信することになる。 ・個人で所有する次世代自動車の外部給電機能を避難所等で活用しようと考えた場合、名簿の管理だけでも大変な労力になると思う。災害が起きた場合の電源供給の意思確認や電源を供給してほしい場所の連絡のやりとりは現実的では無い。また、あらかじめ電力を供給してもらう場所を決めておくという方法もあるが、移動にリスクが伴うような状況でも責任感から避難所に向かうようなことも起きかねない。まずは個人で活用することが第一であると考える。 5.その他(太陽光発電の普及) ・太陽光発電も普及してきているが、札幌市は雪が多い地域であるため、パネルが雪で覆われ冬期の発電量が伸びないという現状がある。初期投資の回収年数が他都市よりも長くなるというデメリットがある。雪の少ない北海道東部の帯広市等の方が、太陽光発電が普及している印象がある。 ・太陽光発電の補助も、東日本大震災、熊本地震、北海道胆振東部地震の影響で、増えている。札幌市内の全ての建物の屋根の2%に、太陽光パネルがのっている。2016年以降の建物に限定すると、10%に太陽光パネルがのっているという状況である。 ・太陽光発電は、7割の方が停電時の自律運転機能を活用した一方で、自律運転機能があるにもかかわらず、3割の方が活用出来なかったことを踏まえ、普段から操作手順の訓練をしておくことが重要性である。
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