次世代自動車(電動車両)の災害活用に関する研究
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7TR札幌の職員が手分けして約20台のレンタカー車両を引取に行き、車内に置き忘れていた手荷物を郵送した。 ・TR札幌の地域貢献として、レンタカー代を無料にして、地域の方の買い出しなどの移動・スマホの充電などに使ってもらったら良いのではないかという意見もあったが、検討しているあいだに電力が回復し実現には至らなかった。 ・ガソリンスタンドの給油1回5Lまでの制限は震災後1週間くらい続いた。 2.トヨタレンタリース札幌の状況・対応 ・レンタカー車両の車種としては様々なタイプをそろえているが、プリウス(4代目)の台数が最も多い。3代目プリウスには4WDのラインナップが無く北海道には不向きであったが、4代目プリウスからは4WDのナインナップが加わり、TR札幌ではレンタカーとして多く採用している。また、車中泊ブーム等から100Vコンセントも必要であろうと考え、全てのプリウスに100V(1,500W)のコンセントを装備した。 ・TR札幌の事業内容として、レンタカー事業とリース事業を行っている。本社のある札幌駅東店は、札幌の中心部ということもあり、レジャーでのレンタカー利用が3割と少なく、法人リースや業務利用のレンタカー利用が7割という構成になっている。 ・数年前から「車中泊」という言葉がキーワードになっており、2016年から車中泊体験セミナーを実施していた。参加者は、リース事業の取引先に声をかけて募集した。 ・停電直後、携帯電話キャリアの基地局がダウンしているようで携帯電話がつながらなかった。しばらくして携帯電話の電波が復旧したものの、携帯電話(スマホ)の充電が下がっているという状況だった。 ・ブラックアウトがなかなか復旧しない中、何か地元の方々に地域貢献が出来ないかと考え、近隣のマンションにお住まいの方にお声がけをして、TR札幌の駐車場で携帯電話・スマホを充電するための電源供給を行った。 ・TR札幌では、自社ガソリンスタンドを2ヶ所持っているが、停電時は稼働することが出来なかった。プリウスから電力を供給できるような設備にはなっていない。改造にはそれなりのコストがかかると思われる。 3.震災後の変化等 ・震災後、TR札幌は小樽市と災害時に電源車を優先的に貸し出す協定を締結した。また、令和元年(2019年)8月30日の小樽市の総合防災訓練では、TR札幌が電源車(プリウス)を貸し出し、照明を点灯する等をした。

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