52.停電災害時の電動車両活用に関するヒアリング調査 2018年9月に発生した北海道胆振東部地震では、北海道全域が停電する「ブラックアウト」が1日間から数日間にわたり発生した。ブラックアウト時の対応やその後の災害対策としての次世代自動車(電動車両)の位置づけを把握するという観点から、北海道の自治体・事業所を対象にヒアリング調査を実施した。 2-1.調査の目的と内容 (1)調査の目的 実際の停電災害において、次世代自動車(電動車両)がどのように活用されたのかという実体験を収集すること、災害後の次世代自動車(電動車両)の位置づけの変化の有無を把握することを目的とした。 (2)調査の内容 調査では、以下の内容を調査対象者に尋ねるとともに、調査に先立ち事前にメール等で調査内容について連絡をした。豊田市が実施している次世代自動車の災害活用に関する取り組みの内容についても紹介した。 ・北海道胆振東部地震時の次世代自動車活用の取り組み ・地震後の停電対策の取り組み ・災害対策としての次世代自動車の位置づけの変化 ・その他 ・次世代自動車の普及・活用、災害対策全般に関する意見交換 2-2.調査の対象者 調査対象者として4団体を選定し、以下の日程で調査を実施した(表 2-1)。「(1)トヨタレンタリース札幌」は、レンタカー車両(ハイブリッド車)を用いて、地域住民へスマホの充電電源を提供するという取り組みを実施したこと。「(2)札幌市 環境局 環境都市推進部 環境計画課」は、市役所が所有する燃料電池自動車(FCV)を用いて、旅行者等へスマホの充電電源を提供するという取り組みを実施したこと。「(3)北海道 環境生活部 環境局 気候変動対策課」は、室蘭市の自主避難所で、FCVを用いて、照明、テレビ、スマホ充電への電源供給等、道内の取り組みを集約していること。「(4)医療法人はまなす」は、治療に電源が欠かせない人工透析クリニックであり、地元紙で取り上げられた医療の災害対策に取り組む病院であること等の情報が事前に得られたため、調査対象者に選定した。
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