593-5.小括 高齢運転者への後付け安全運転支援装置の普及のための情報提供のあり方を検討するため、複数の方法で情報提供を行った場合の利用意向の違いを分析した。本取り組みによって得られた主な知見を以降に整理する。 6団体の高齢者クラブで情報提供を行い、191人(うち週1回以上運転している人は148人)から回答を得た。内容を工夫した情報提供を、装置の利用意向の回答前に情報提供する群(施策群)と、回答後に情報提供する群(制御群)を設けた。 施策群で利用意向を持つ割合は92%で、制御群の75%と比べて17ポイント大きい結果となった。また、施策群と制御群で利用したいと思う理由に違いが認められ、内容を工夫した情報提供の効果が示唆された。 単に資料を配布するだけでなく、説明会等を開催して装置の利用を自分事として考えてもらえるよう自らの運転を見つめ直す情報提供を行うことで、利用意向を持つ人をより多くする効果が確認できた。 ただし、本取り組みでは、装置を有用と思わない人数が少なかったため、装置を利用すべき人に対する効果は未確認であるが、この点は今後の課題である。 今回の取り組みでは、自分の運転を見つめなおす情報提供を、年齢と運転の自信の関係、年齢と運転可能年齢の関係、装置を有用と思う人と安全確認を慎重に行うか否かの関係などを用いて行った。これらは自分の運転を見つめなおすための情報提供の一例であり、その他の情報を提供することによる効果を検証することも今後の課題である。
元のページ ../index.html#65